鉄道模型制作報告「旧型国電 宇野・赤穂線」その7

箱にした後、屋根周りの加工を進めていく

 今週の作業内容
(1) 屋根回り加工
(2) クモハ51206の助手席後ろの窓を狭める
(3) ベンチレーター台座の加工

(1-1) ベンチレーターはトミックスの分売パーツを使う。72系73形が発売されたときに設計されたもので、HGシリーズの103系や113系にも同じものが使われている(ハズ)。そのためキット付属やGM製とは違って1.2mm径の穴を開ける。サハ48のみ屋根裏のガイドに従い、他の車両は表側から寸法を測った。実はベンチレーターの配置(寸法)が出ている資料がなく、各種資料本に載っている図面を信じ、そこから割り出した寸法で決定した。

屋上ステップの取り付け穴や配管の下書き

(1-2) 屋上ステップに使うのはタヴァサホビーハウスのパーツ。4つ脚だが、少し手間をケチって3本脚で固定している。ステップの脚の位置が決まったら、配管作業に移る。まずはシャーペンで「だいたいこんなものだろう」という下書きをする。
 クモハ51039(中央)はパンタグラフがPS11なので、トミックス製パーツに合わせて4つ穴を開けた。2つ穴は屋根板に元から開いていたもので、私がうっかり間違えて開けたものではない。本来なら埋めるべきところだが、パンタグラフを載せるとほぼ見えなくなるのでそのまま放置する(「大糸線黒標記」の一部車両も私がうっかり間違えて開けた穴が残っている)。

このタイミングでランボードを作成

(1-3) 配管のうち母線は、パンタ脇のランボードとの兼ね合いがあることを思い出し、このタイミングで作成した。0.3mmのプラ板に、脚はGMキットの101系用のランボードを細かく切って接着する。タヴァサからパーツも出ているのだが、諸々を考えると自作した方が早いと思っていつもこの手法で作っている。

配管他各種加工が終わったところ

(1-4) 途中写真を撮るのを忘れて作業したので、一気に完成形へ飛んでしまったが、配管や屋上ステップ、あとついでに前面に各種パーツを取り付けたところ。先の写真で作成したランボードは塗装後に固定するので、母線の位置決めに使った後は別に保管してある。
 配管はいつもの通り、0.3mm、0.2mmの真鍮線やランナー引き伸ばし線、配管止めに先日閉店が発表されたマッハ模型の製品や電気コードをばらしたものを使っている。この辺りは「阪急3000系 3064F 制作報告その6」もご参照下さい――意識したわけじゃないけど「旧国を作る時も、空気作用管で同じことをしている」って書いてた。ちなみに3064Fの時も途中写真をロクに撮ってない。パイピング途中はね、他のことする余裕がないんですよ(言い訳)。
 前面にはテールライト(銀河モデル製各種)や手すり、そしてクモハユニ64の中央下部には大型ステップを取り付け。この大型ステップ、大糸線自連時代を作った時には見落としていたディティール(黒標記を作るときに発見した)。64の他にはクハユニ56あたりで使えるのだろう、タヴァサのエッチングパーツに収録されていた。

サハ58000の妻面にはキャンバス押さえを取り付け

(1-5) 屋根との隙間埋めが終わったサハ58000妻面には、キャンバス押さえを取り付けた。クモハ41117連結面と同様だが、今回の方が取り付け位置が若干奥まっているせいで誤魔化しが利きにくい。連結面なので許容範囲内だが、もし前面に来るとなるともっと加工精度を上げたいところ。

見落としていた箇所

(2) 前面のあれこれで実車写真を見ていて気付いたポイント。クモハ51206の助手席側すぐ後ろの窓は、運転室の全室化に伴い狭められていたようである。正確な寸法が分からなかった(本に出ていた図面は元の700mm窓のまま)が、おそらく500mmだろう、そして後端の位置はそのままに運転室側だけが狭くなっただけだろうと推測し、片側だけ1.3mm程度詰めた。本来は板状の時にやるべき加工だったのでやりにくかった。あと、乗務員扉の加工も忘れていたので合わせて施工。

タヴァサのベンチレーター台座

(3) トミックスのベンチレーターには台座に相当する部分がない(トミックス製品は屋根側に台座の表現がある)ため、間に噛ませるものが必要になる。タヴァサからそのものズバリのエッチングパーツが出ているのでそれを使うが、設計ミスなのか製造上の理由なのか分からないが、穴が小さくそのままではパーツが入らない。というわけで塗装する前に穴を削り広げておく。指が疲れるので気が重い作業だったりする(数も多めだし……今回の場合だと30個ぐらい)。写真左は削った後で右は製品そのまま。

 あと2、3の加工を済ませれば車体関係は終了。その次は床下周りの作業だ。

(2022.05.22)