クエ9423とクモハユニ64

全くつながりのない2両

  先月から組み立てていたクエ9423(湘南電車製コンバージョンキット:右)とクモハユニ64(グリーンマックス製キット改造:左)が完成した。前者は鳳電車区で使われていた救援車、後者はいろいろあるが、模型では大糸線時代を再現してみた。両者に全く繋がりはないが、どちらも「1両完結」の「ぶどう色2号」の車両ということで、同時期に制作してまとめて色を塗った。

共通項は他に、前後でお顔が違う?

  両者共に両運車で、前後でデザインが違うところも共通点だろうか。クエは貫通扉が付いているが、実際に使われたことがあるかどうかは不明。鶴見臨港鉄道時代には実際貫通路として使われていたかもしれないが。クモハユニは非貫通型だが、この後岡山に転属した際には貫通扉を設置したということだ。

パンタ側正面アップ

  模型でも共通点は少なく、そして私が最近作っている旧国シリーズとも相違点がいくつかある。簡単にまとめると……

○ クエ9423
・走行を考えていないため、カプラーは前後共にダミー(非動力車)
・ライト点灯化も考えていないため、銀河モデルのパーツ使用
・私にしては珍しく、側面の手すり類も浮かせてある

○ クモハユニ64
・実車に倣い、自連型に近いカトーナックルカプラーを装着

まあ、特殊なのはクエの方だけで、クモハユニは比較的“いつものやつ”かな。今回は前面の窓ガラスの嵌め込みを、ただの板材から板材貼り合わせの凸形状の部品にしてみた。これは、ぴったりの大きさの透明素材に一回り大きな透明素材を貼り合わせて、嵌めこみのしやすさを狙ったのだが……何故か何枚かは上手く行かなかった。貼り合わせに使った透明接着剤は紫外線硬化タイプなのだが、何故か硬化が甘かったり……。ちょっと要研究。

クエ9423 サイドビュー

  キットの説明書では、確か保護棒の表現がある窓ガラス(塩ビ板)の使用を指示してあったのだが、私が参考にした資料ではカーテンを降ろした状態?のものが多かったので、裏から薄いグレー(ほぼ白)を塗った塩ビ板を貼ってみた。床下機器は、GMの東急キットに入っていたクハ用を適当に並べ替えて使用。
  実はいろいろ失敗というか、課題が残っている。貫通扉に掲示されている札が上手く取り付けられていないので、再挑戦してみたい。ヘッドライトは銀河モデルの100ワットタイプを使ったのだが……何故かレンズがきちんとはまらない。手持ちの部品を使ったのだが、中身が入れ替わったりしてロット違いの物を使ってしまったのかなあ? 見た目にあまり変わらないし、250ワットタイプに交換しようかな。連結器は先述の通りダミーなのだが、ちょっと位置の調整をミスってしまった気がする。連結器周りも手を抜いたらスカスカすぎるので、前々回にやっていた各種ディティール追加工作でボリュームアップしたい。ちなみに排障器が片側しか付いていないが、これは排障器を取り付けるステーのストックが切れていたのに今日気付いて、新たに作って黒く塗るのが面倒だったので暫定的に「片側しかない」まま完成としたのである。排障器関係も本当はもうちょっと研究して、もうちょっとリアルな、そして模える形状のものを作りたいのだが……。

クモハユニ64 サイドビュー

  「荷物」と「郵〒便」標記は、別の写真では違う位置に付いていたりするのだが……私は今回は一番メインで使っている資料の写真の通りにした。どう考えてもこの位置で郵便取扱は変な気がするのだが。この画像で見ての客用扉の左側の窓に、何故か中桟がなく、ここで郵便取扱をしていたんじゃないかとも思うだが……実際のところはよく分からない。ちなみに、この中桟なしが塗装前日に発見した見落としである。
  クハ68の側板とクモハユニ44の側板を切り継いだのだが、両者で窓の天地方向が違い、それに伴って?シル・ヘッダーの高さも少し違っている。他、雨どいの太さも違えばドアの天地サイズも異なり、さらに側板の高さも0.2ミリほど……全くグリーンマックスはやってくれるな! 丁寧に直そうとすると地獄の苦しみが待っているので、全体的に無視した。側板の高さだけは段差が出来て困るので、クモハユニ44側にプラ板を貼り足して揃えてある。実車写真を見ていると、どうやら荷物室郵便室の窓は保護棒じゃなくて、格子っぽくなっているのだが、再現は面倒だと判断して保護棒付塩ビ板を使っている。
  連結器周りはカトーのカニ24用の物を使った(もちろんアッシーパーツで入手)。取り付け方法は色々考えた結果、プラ板でスペーサーを自作してゴム系接着剤で固定するという、おおおそスマートとは言えない方法に落ち着いた。TNカプラーだとネジ穴があって便利なのだが、カトーはそういう使い方をされたくないらしい? また、パーツ自体はアーノルドカプラーがセットされた状態で販売されているが、ナックルカプラーの短い方に交換してある。客車セットには長い方のナックルが付属していたりするが、試運転の結果、2軸貨車を牽くのであれば短い方で問題がなかったのでよりリアルな「短」を取り付けた。カニ24のディティールとクモハユニ64でまたいろいろと違うのだが、雰囲気としてはそう悪くはない。後日余力があったら手直しするつもりでいるが。
  動力はいつもの通り鉄道コレクション用。TNカプラーを取り付けないので、TM-17への移行に伴って余剰となったTM-09の再利用をしている(台車も両側駆動に復元した)。
  屋根上に関してはパンタかぎ外し線が不明。他スケールも含めた他の方の作品を雑誌などで拝見していると、戦前型の更新修繕前の車両には付いてないものばかりなのだが、「ない」のが正解なのだろうか? 避雷器もアース線がどういう風になっているのか分からなかったので、とりあえず避雷器は付けて、パンタグラフからそこへ伸びる線だけは引いておいた。飯田線時代だと資料写真が載ってたりするんだけどね、古いとこういうところが怪しくなってくる。以前作った青色の大糸線ではパンタグラフをグレーに塗ったが、今回は製品そのままにしてある。理由は、何となくだが、パンタグラフがグレーになったのは車体色が青色になってからなんじゃないかなあと思うから。特に根拠はなく、いわば私の好みである。

  以上、ちょっと課題も残っているけど一応完成ということで。気持ちがリフレッシュ出来たら手直ししたいけど、リフレッシュする前にまた新しいもん作り始めるからなあ……。

(2015.04.29)

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