鉄道模型制作報告
「80系関西急電 1954」その1
残り少ない板状キット

 再び80系関西急電を作る。前回の構想通りに、やや特徴的な1954年度タイプを選択した。ベースにするのは絶版の板状キットだ。私の手持ちもいよいよ最後に近くなった。
 余談にはなるが、マイクロエースが以前発売した「国鉄80系 関西急電色タイプ」は1954年度の編成をプロトタイプにしている。発売当時はそこまで実車に詳しくなく、中間車3両が全てモハ80の編成に疑問を抱いたのが今となっては苦い思い出である。メーカー説明によると「ドア形状が異なります」とのことだが、次に述べる部分も実車と違っている。

側板の加工からスタート

 側面の戸袋窓が80系の中でも特徴的である。製造当初からHゴム押さえになっていたのだが、翌年以降に製造された車両と違って一段凹んだ部分に窓がある。木枠押さえとの折衷みたいな構造で、もしかすると作っている途中で設計変更があったのかもしれない。(私の調べが正しければ)たった5両しか存在しない形態だ。
 模型の加工手順としては……キットのHゴム窓部分(写真右下がキットそのまま)を四角く削り拡げ(写真なし)、プラ板をはめ込み(左下)、Hゴム表現のためにt0.13プラ板を貼り重ね(右上)、窓部分を開口する(左上)。
 他、不要モールドを削った。今週の作業内容は以上である(そして、戸袋窓の加工はまだ途中までしか終わっていない)。

GMキットにありがちではあるが

 ここからは今回の制作とは関係のない話。GMの80系キットは戸袋窓の形状がおかしい気がしている。実車(『最盛期の国鉄車輌』2巻より)は正方形に近い縦長だが、キットは明らかに横長になっている。どうしてこんなことに、と言いたいところだが、GMの古いキットはこんなんだらけなので今更か。

経年劣化

 古いパッケージなので、付属の窓セルが黄ばんでいた。今まで作ったキットの余りが(大量に)あるので(特に70系300番台では全く使ってない)問題ない……と言いたいところだが、今まで作ったキットに貼った窓セルもこんな風に黄ばむと考えると大問題。今の製品のは材質が改良されて黄ばみが抑えられていると嬉しいのだが、トイレ窓用のすりガラスは新しめのものが既に黄変している。覚悟はしておいた方が良さそうだ。

(2025.09.07)
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