「80系 関西急電 II」完成

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 「80系 関西急電 II」が完成した。プロトタイプは1951年度製造の編成で、車番は京都方から「86057-80087-87041-80088-86058」だ。この年度の増備は1本のみかつ前後の年度の車両と細部が異なるため特定編成となる……はず。前面窓が木枠で、台車がDT16(M車)TR45(T車)だった最後のグループだ。一方でベンチレーターはこの年度から変更され、模型としてはキットに含まれないパーツとなる。
 ベースはいつものグリーンマックスのエコノミーキット。「80系一次車」の、まだボディが一体化される前の板状キットを使っている。動力ユニットは鉄道コレクション用、パンタグラフはカトー製品、他小パーツなどにタヴァサホビーハウスや銀河モデルの金属パーツ、一部は自作でまかなった。
 当サイトでは普段、旧型国電のタイトルに「第二期」、あるいはそれを略した「(II)」のような表記を使っているが、関西急電に関しては編成単位での制作となるため、「(模型での)第二編成」という意味でカッコなしの「II」としている。

クハ86057(上) クハ86058(下)
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 2両のクハ86は、模型での違いは前面下部のジャンパ栓納めの有無とTNカプラーの配管のみとなっている。床下機器も本来は違うかもしれないのだが、これについては後述。台車は実車はTR45だが、模型ではずばりそのものがないためTR23で代用している。メーカーの指定はDT13だが、動力車用でシルエットがゴツい気がするので私はTR23を採用した(軸受けの形状はDT13の方が正しい)。
 上の057の雨樋に塗装剥げがある。いつものことだがあちこち剥げやすくて悩みの種である。

モハ80087(上) モハ80088(下)
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 2両のモハ80は完全に同形で、087に動力ユニットを組み込んだ。
 床下機器は今回は敢えて従来パーツを使っている。前回の片町線のモハ72565にも従来製品を使っているが、その時は「従来品の方が形状が似ているから」という理由があった。今回も従来品の方が似ていると思ったのだが、よく見ると微妙に違う。だからと言って新規パーツの方がいいかと言われるとそうでもなく、どちらを使うにせよ実物との違いが生まれる。半ばとりあえず、半ば妥協で従来品を使うことにした。
 その流れでクハサハに関しても古い部品(全く似ていない)を使うことになったが、こちらに関してはまた気分が乗ったときか、あるいは作りたい80系が一通り揃った頃にでもじっくり研究して自分なりの形を模索したい。

サハ87041
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 付随車サハ87。
 車体中央部のベンチレーターは、GMのサハ75(100)付属部品のうち背の高い方を使った。実車は同じ時期に製造されたので、同じベンチレーター の可能性は十分ある。車端部に2個ずつ設置された薄型ベンチレーターは両サイドで設置間隔が違っていたようだ。写真左側のサイドでは広げて、右側ではほぼ密着して並べてある。クハはどちらのサイドも広がっており、そしてモハは非パンタ側のみ密着状態で設置されている。どうしてこのようにバラバラになったのか理由は不明。あるいは私の調べが間違っている可能性もある。

クハ86前面(その1)
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 前面手すりは最近の定番で、タヴァサのエッチングパーツで別体化した。1mm手すりは普段“単品”の1mm手すりを使っているのだが、今回品番PN435Aの「70・80系用手すりセット」に含まれるものを使った。ところが、出っ張りが大きすぎてイメージに合わなかった。仕方がないので窓上用を窓下に持って来て、窓上には窓下用のものを位置決め用の突起を削った上で適正な出っ張りになるよう押し込んで固定した。
 ヘッドマークはかつてGMから発売されていた関西急電の塗装済キット付属のシールを使用(GMストアでバルクパーツとして入手)。一旦薄手のプラ板に貼り、曲げた上で手すりに少量のゴム系接着剤で固定してある。

クハ86前面(その2)
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 関西急電はほぼ固定編成なので中間部にはカトーカプラー、前面のみTNカプラーとしている。TNは連結器が小型化され、配管が付いた「JC6349」を使った。配管やジャンパ栓の不要サイドはもちろん、残す側についても車両側と干渉するため台座部分を削ったりしている。乗務員ステップは扉と全く位置が合わないので、両方切り落とした。
 車体側のジャンパ栓受け(左のクハ86087)はカトーのAssyパーツを使ったのだが……パーツが細かすぎる(どうしても接着剤がはみ出す)のと仰角が付きすぎているので、エッチングパーツを使った方が良かったかな……この辺のチョイスはなかなかに悩ましい。

モハとサハの屋根上
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 モハのパンタグラフ周りはすっきり仕上げた。ランボードや配管カバーについては、1951年度製がこんな感じだったかどうか分からないのだが、1952年度製の写真を見て同じように仕上げている。実車写真を見る限り製造直後は避雷器関係やかぎ外し線が付いていなかったようにも思えるのだが、本当にそうだったかは少し疑問。大きい模型でも付いていないのがあるので、多分きっとこれで正しいのだろう、と思い込むことで自分を納得させている。
 クハ及びサハはトイレ上にもベンチレーターが付いていたようで、これが今回最大の疑問点となった。写真を見ると車端部のと同じタイプを2個繋げたような形状をしている。模型でそのまま2個載せるとこの部位だけベンチレーターが密集し、本当にこれでいいのか不安になってくる。さらにはこの部品、どちらかというと不足気味なので追加で2個(編成で6個)使うのも躊躇われる。自作パーツを作ってみたりもしたのだが、最終的に「旧作から引っぺがせば数は足りるはず」という判断となった。どうせ塗装後にゴム系接着剤で付けてあるだけなので、間違っていたとしても後から何とでもなるんだけどね(だからこそ旧作から引っぺがすこともできるわけで)。
 一次型より変更されて二段になった妻面窓は、窓枠を塩ビ板に塗装する形で表現。プラ加工の手間は減るのだが、代わりに塩ビ板へのマスキングと塗装という工程が増える。そして仕上がりは今一つ。目立たない妻面窓なので“こんなもん”でいい気もするし、やっぱり次からはきちんと作ろうかなあとも。

“2編成体制”となった
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 前作から実に9年近い日が経ったが、ようやく80系関西急電2編成目の完成となった(18年前制作の登場時4連仕様は旧作扱いで、計算には入れない)。2編成あるということは、繋げてラッシュ時の列車としても走らせられるということでその意義は大きい。9年の歳月の間に、手すり別体化というメニューが増えたせいで仕様が多少不揃いではあるが。ちなみにいつも「前に塗ったやつと色が合わない!」と嘆いているが、今回は普通に問題ないレベルになってくれた。

 80系関西急電シリーズとしては今後、1954年編成と100/200番台編成を制作予定。余裕があれば1952年編成も作りたいし、さらにはフリーランスで一次型及び300番台なんてのも考えている。考えているが同時に、そんなに関西急電編成ばっか増やしてどうするの?という気もしている。今書いたの全部作ったら7編成35両で、同じ系列の同じ塗装の車両としてはちょっと多い。いつも似たようなこと言ってるが、暇を持て余してるとか80系が好きで好きでたまらないとかなら作ればいいんだけど、他に作りたいものいっぱいある一方で残された時間はそう長くはないからね。

(2025.03.02)
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