「旧国 阪和・片町線(III)」完成
「旧国 阪和・片町線(III)」の完成
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 「旧国 阪和・片町線(III)」が完成した。今回は「色が同じ」ということで、前回までで漏れていた阪和線と片町線の作りたかった車両をまとめて制作した。写真では普通に編成を組んでいるように見えるが、作った車両をそれっぽく繋げただけ。実際の編成とは異なることをお断りしておく。
 なお今回、詳しくは後述するが(またしても)非常に大きなやらかしをしてしまった。

偶数向き方向から
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 上の写真では「奇数向き」で並べてあるが、今回のハイライト車両は偶数向きの先頭車「クハ79066」になるので、反対方向から撮った写真も用意した。編成が全体的にガタガタなのもちょっとした悩みなのだが、先述の「後述する非常に大きなやらかし」の前には霞んでしまう(「先述」の中に「後述」が入るあたり説明ドヘタにも程がある)。

クモハ60051(阪和)
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 40系奇数向き電動制御車のクモハ60051。GMキットから作ると“一番ノーマル”な形態になると思われるのだが、意外にもまだだったので今回押さえておくことになった。ナンバーはほぼ特定で、おそらく053とほぼ同形態。

クハ79066(片町)
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 72・73系偶数向き付随制御車のクハ79066。クハ47を4扉改造した車両で、前面非貫通となる。模型はサハ48からの改造となり、先頭車化、4扉化に加え、付属前面パーツの大改修という今回最も手間のかかった車両となる。大苦戦も予想していたが、過去の経験が生きたのか、手間はかかったものの特に苦労はせず、仕上がりも納得の行く理由になった(しつこいが、後述のやらかしが非常に悔やまれる)。番号は完全特定。

モハ30000(片町)
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 40系中間電動車モハ30000。クモハ40からの改造車で、何も両運転台車をわざわざ中間車にしなくても……と思う。模型は40系の切り継ぎで中間車に。手を抜くならそのままでいいのだが、車端部の窓位置の違いを再現している。

サハ57001(阪和)
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 40系中間付随車サハ57001。サハ57にはサロハ改造の窓配置がややこしい車両もあるのだが、今回も“逃げ”た。こちらも40系の切り継ぎで制作。

モハ72565(阪和・片町)
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 72・73系中間電動車モハ72585。非常に両数の多いモハ72だが、そのうちの新製車で固定窓がHゴム押さえになったグループとなる。模型はタヴァサホビーハウスのエッチングコンバージョンキットを組み立てた。鉄道コレクション用動力ユニットを搭載している。ナンバーは阪和線の車両を割り振ったが、おそらく形態差がないため番号以外は片町線の車両としても通用するはず。

サハ78516(片町)
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 72・73系中間付随車サハ78516。実車はモハ72 500番台の電装解除車で、2両だけ存在したらしい。上のモハ72と同じキットから制作した。阪和線にもサハ78の500番台がいるので共用できると思って作り始めたのだが、そちらは形態の異なる車両だった。よってこちらは片町線専用となる。

両先頭車
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 前面。ワイパーはどうやらダブルアームタイプっぽかったのだが、写真ではあまりアームの二重構造が目立たない。実物にも何タイプかあるのか、それともタヴァサのパーツの表現がオーバーすぎるのか(サイズがサイズなので仕方がない)。今回は試しにということで、シングルタイプをブレード部分を曲げて取り付けてみた。
 クモハ60はうっかり渡り板を塗装するのを忘れていて、以前予備に作って余っていた平妻車用の物を暫定的に取り付けている。半流用よりもサイズが大きい。ちなみに渡り板は、資料写真では汚れているだけで本来車体色が正解と思っていた時期もあるのだが、今回資料を見ていて阪和線は黒のような気がしてきた。もしかすると表が車体色で裏(今見えている面)が黒というパターンも考えられるが、流石に実物もそんな手間掛けないだろう。
 右のクハ79はキット付属の改造用パーツを大改修。余計なモールドを削り、Hゴム窓を木枠に戻し、雨樋形状を曲線から直線に戻す等々。戦前型の中でも古めの車両になるので、前面の手すりが多くてごちゃごちゃした感じに。それ自体は楽しかったが、サイズの決定とそれに適合する手すりパーツを探すのが手間だった。助手席上の細い運行番号窓も特徴的で、こちらも合うパーツがあるのかどうか心配していたが、考えてみれば幕板の広さは側面と一緒。側面用のサボ受けパーツを使っている。

クハ79066
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 クハ79066は裾が少し深く、従来タイプのTNカプラーとは胴受けが干渉する。非貫通型であることからこちらに車両を繋ぐことはないので、ダミーカプラーの使用も考えたのだが、では適したパーツがあるのかというとあまり思い当たらなかった。全体的な統一感からもやはりTNカプラーとなり、胴受けの狭い新型の出番となった。新型の旧型国電用は発売されていないので、新型国電用の「コの字」型パーツを旧国用に交換して対応した。併せて、車体にモールドされていた胴受けの固定具も削らずに残してある。この部分は今までなかなか再現できなかったところなので、今回イチオシポイントの1つになった。

同じ40系中間車同士だが……
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 モハ30(左)とサハ57(右)。どちらも「40系の中間車」ではあるが、出で立ちが異なるため細部の違いが存在する。モハ30はクモハ40改造車で、元車両の窓配置を残したために車端部の窓がサハ57より少し内側に寄っている。「少し」なので無視して作っても良かったのだが、今回差サハ57のチョイスで楽をする方を選んだので、モハ30には手間を掛けることになった。作ってみると本当に「少し」なので……手間を掛けるならサロハ改造のサハ57を作った方が完成後の満足度は高かったかも?

元を正せば同じ車両
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 こちらも同じ「72・73系の中間車」で、こちらの場合は出自が同じ「モハ72 500番台」なので本当にそっくりの車両となる。サハは、電装解除車にありがちなパンタグラフ台や一部配管の残存もなく、すっきりとした感じに。車端部の梯子は確認できる写真がなかったのだが、タヴァサの説明書イラストには描いてあったので取り付けてある。梯子はカトーのAssyパーツで、穴は開けずにボスを削ってゴム系接着剤でのイモ付けなので、もし違ったら取り外せばいいだけの話である。
 床下機器はGMのものだが、新パーツではなく従来品(旧パーツ)を使っている。写真を見ると旧パーツの形状がそのものずばりだった。

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 さてこの下に、大きなやらかしがよく分かる写真を掲載する。今回第三期で作った車両だけでは阪和線、片町線の編成にはならないので、第二期までに制作した車両を繋げたのだが……色の違いが大きく出てしまったことが判明(各写真、今回作ったものを手前に固めて編成)。


上:阪和線編成 下:片町線編成
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 最初色を塗って、またしても前に作ったものと色が違う(黄色っぽい)と感じ、調色して再塗装……というのを2度やったら赤を混ぜすぎたようだ。制作部屋の照明がやや暗いこともあり、デスクライトや太陽光下でも見比べたのだがそれはそれでダメらしい。ともかく今回の結論としては、「この色塗るのもうヤダ!」である。せっかくクハ79が上手く作れて工作自体は満足行ってたのに、色でミスるとテンションだだ下がりである。光源にもよるし1メートル離れて見ればこの写真ほどの差は感じないのだが、それでも後日気持ちが落ち着いた暁には再塗装を検討しなくては。

(2024.11.03)
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