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ボードゲームの会
その昔、私はトレーディングカードゲーム『Magic:the Gathering』(以下『MTG』と略記)にハマっていた時期がある。それと関係あるようなないようなの流れで『ドミニオン』というボードゲーム寄りのカードゲームにハマり、そして去年の終わりぐらいからボードゲーム全般にハマってしまった。事の顛末は去年の振り返りに書いたのでここでは省略。あまりに大量に買ってしまったので、定例の「ドミニオンの会」とは別枠で「ボードゲームの会」を開くことにした。名称を変えたのは、積んであるゲームの消化をいつもの『ドミニオン』より優先させたためである。さて、いくつ遊べるのかな? 目標は「5つ」であった。
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トップバッターは『スノーコロニー』(当日ゲーム終了時の私の盤面)
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まず最初に遊んだのは『スノーコロニー』。大まかに言うとすごろくで、各プレイヤーが個別にゲーム盤を持っている。そして各マスはカードになっており、さらにカードを重ねて止まった時の報酬を増やして行く、といった流れのゲーム。
会を開くに先立ち、あまりにも買ったゲームが多すぎるので、参加するメンバーに「こんなゲームがあるよ! どれで遊びたいか目星を付けといて!」とリストを渡した。その中でいの一番に反応があったのがコレ。実はその段階で「まだ買ってないけど面白そうなので近日中に買うつもりのゲーム」だった(笑)
さて、実際に遊んだ感想は……これは今日お話しする全てのゲーム共通なのだが、「面白かった!」。想定外だったことその1。思ったより場所を食う(笑) 4人のプレイヤーが手元に10マス分のカードと各種記録用のボードを左右に展開する上に、中央ボードもある。小さくないはずの机がギリギリだった。その2。条件を満たすと置けるコマがあるのだが、これの個数が「8」。ゲームの終了条件にもなっており、少ないのでは?と説明書を熟読していて思ったのだが、これが意外にいい長さ。これより多いとプレイ時間が長引き、ダレていた可能性が高い。
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2番目は『ドワスレ』 (写真は後日撮影のイメージで、実際のプレイ風景とは異なります)
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最初のゲームで「意外に頭を使った」という感想が出て、頭を使わないゲームの筆頭である『ドワスレ』が次に選ばれた。「ど忘れ」ではなく「ドワーフスレイヤー」の略である。「街一番の酒豪を決める」という背景のゲームで、サイコロの出た目に応じて酒量が決まるが、「ZZZ」マークが多く出ると「眠って」しまう。寝てしまうと飲み勝負で負けるだけでなく、酒代の支払いまで押し付けられる酷いゲームだ(笑) さて、サイコロを振るだけだと「チンチロ」と大差がない。このゲームのもう一つのポイントは、サイコロを振った後に手持ちのカードを出し、サイコロの出目を操作するところにある。全部振り直したり、他のプレイヤーにもう一個振らせたり、サイコロを隣のプレイヤーと交換したり……。振るサイコロの数も1ラウンド目は3つだが、2ラウンド目で4つ、3ラウンド目5つ……と増えていき、勝負が段々と雑になって行く(笑) 頭を使って勝つことは難しいが、そもそも頭を使う場面がほぼないお気楽ゲームだ。
後輩曰く「4ラウンドで終わるのはちょっと短いかも」。同梱されているサイコロの数の関係だと思うが、4人プレイでは4ラウンドで打ち止め(3人プレイだともうちょっと長い)。もしこのゲームが大好評だったら、もう1セット買い足してラウンドを延ばしてもいいかも?
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『アクアティカ』 (写真は後日撮影のイメージで、実際のプレイ風景とは異なります)
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諸々あって「面白そう!」と思ってから買うまでが長かった『アクアティカ』。『ドワスレ』同様のファンタジーな世界でプレイヤーは海の王となり、繁栄のために海の世界を開拓していく。ゲームとしては「シーフォーク」カードを使って「ロケーション」カードを獲得していき、その力を上手く使いながら得点を重ねて行く。何と言ってもこのロケーションカードのギミックが面白い。獲得したロケーションカードは個人ボードのスロットに「差し込む」。カード左下に並ぶアイコンの使用と共に一段階奥へ押し込み、最後まで行くと「得点化」のアクションで勝利点に変換できる。
主催者としてちょっとマズったこと。大きいところではしっかりルールを把握していたのだが、実際にプレイしてみるとカードの運用について分かってないポイントがあった。言い訳をしておくと(ここではなく参加者のみんなの前ですべきなのだが)、あまり事前にカードを読み込んでテストプレイをすると、自分だけプレイ慣れしてしまってみんなで遊ぶときに有利になってしまう。それではお互い楽しめないので、必要最小限しか確認していなかったのだ。
プレイしてみると、ロケーションカードの獲得合戦を楽しみにしていたのに、別の条件が満たされて思ったより早い終了となった。ただ、これも『スノーコロニー』同様で、ロケーションカードの枯渇までプレイすると「同じことの繰り返し」で飽きが来ていたかもしれない。プレイ時間的にもこれがゲーム製作者の意図したデザインの可能性は高い。
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夕食前のラストは『ナショナルエコノミー』 (写真は後日撮影のイメージで、実際のプレイ風景とは異なります)
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ボードゲームを節操なく買い集めるようになった初期に手に入れたゲーム。「名作」の復刻版らしく、3部作がワンセットになったお買い得感あるパッケージだった。「労働者」(コマ)を「職場」(カード上)に配置し、その効果を得てゲームを有利に進めて行く。「ワーカープレイスメント」と呼ばれるシステムで、私が「沼」に落ちる最初の一手となった『ワイナリーの四季』と同じジャンルである。『ワイナリー』と大きく違うのはカード主体なところで、『MTG』や『ドミニオン』のようなハンドマネージメントも楽しめる。
ゲーム後半はかなり手応えを感じていたのだが、終わってみると私に『ワイナリーの四季』を教えた後輩が大勝。曰く「ワーカープレイスメントは大好き」とのこと。してやられました(笑)
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後半戦は『シ祖狩リ - Remake -』で開幕 (写真は後日撮影のイメージで、実際のプレイ風景とは大きく異なります)
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有名な『人狼』と同じ「正体隠匿」系ゲーム。『人狼』と違って会話の類は一切禁止。カードのやり取り(ババ抜き方式)だけで「吸血鬼」陣営と「狩人」陣営が戦う。「シ祖(吸血鬼)」は「吸血」に成功すると「狩人」を「眷属化」する(味方に引き入れる)ことができる。眷属となった狩人はその瞬間から吸血鬼陣営となって勝利を目指す。
プレイ人数は4か5と幅が狭い。今回の会は元々3人の予定だったのだが、1週間前になって1人増えることになった。このゲーム、着目したのがごく最近かつ一般流通には乗ってないので買うのが後回しになっていた。しかし4人で遊べる今回がチャンス!と急遽買い足すことに。こうやってゲームがどんどん増えて行くんです(笑)
さてこのゲーム、最初にカードを配って「吸血鬼」一人を決める(もちろん決着の時まで誰が選ばれたかは分からない)。1ゲーム目は私が「吸血鬼」。2ゲーム目も私が「吸血鬼」。3ゲーム目開始前に後輩が「今回も橘さんが吸血鬼ならカード配り直しましょう」と提案してくれたのだが、私は「いやそれは、俺が吸血鬼じゃないと分かってプレイすることになるから面白くない」と却下。でもまさか3回連続はないだろう……と思ってたのに配られたカードは「吸血鬼」(写真右下)でした(笑) 結果は1勝2敗……手応えのない吸血鬼ですまんかった。
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今回一番の大物(おおもの)『アクワイア』(当日ゲーム終了時の様子)
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今回の一連の中では一番の大物(おおもの)で、箱を開けると姿を現すどデカいゲームボードにテンションが上がる。1960年代に発売されたという“名作”『アクワイア』だ。建物コマを配置して行き、ホテルチェーンを設立して株で儲けるゲーム。生まれは古いがゲーム性からは古さを感じなかった。製品自体は最近製造されたもので、各種コンポーネントは新しい(お金の札だけはチープな印象)。
ホテルチェーンは全部で7社あり、株価が高いものが2つ、普通3つ、安めが2つという塩梅になっている。設立されても吸収合併で消滅(箱に戻される)したり、また復活したりといろいろあった。最終的に株価の高い2社が生き残るのかな、と思っていたのだがそんなことはなく、どちらも箱に仕舞われた状態でゲーム終了を迎えた。ホテルの拡大や吸収合併はコマの配置が鍵を握っており、誰がどのコマを持っているかは非公開情報。後輩曰く「これ、インサイダー取引では?」(笑)
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この日最後のゲーム『パリの屋根』 (写真は後日撮影のイメージです)
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盗賊団の一員となって美術品や宝石を盗み出すゲーム。山札からカードをめくって公開し、順に並べて行く。警官マークの付いたカードをめくると警官が逆方向から進んできて、カードと重なると「盗み失敗」。警官がカードの列直前だと「大成功」となって戦利品が多く得られるので、どこまでめくるかのチキンレースゲームである。なお、失敗して「逮捕」されてもすぐ釈放されるので、この世界は窃盗に対してかなり緩いようである。それとも仲間が助けに来てくれるのかな?
カードをめくって並べて行くだけの単純なゲーム。に見えて得点システムは単純でない。同色の「アラーム」付きカードを3枚集めてしまうと「強制捜査」によりその色のカードを全て没収されてしまうこともあり、後輩曰く「めくるときもそうだが、戦利品を選ぶときも度胸が試される」ゲームだった。え、私? 2回やって両方3位のチキンハートでしたよ。
遊べたゲームは以上7つ。数だけじゃなく、買ったゲームの中では大物(おおもの)の『アクアティカ』『アクワイア』の2つを消化できたのも大きい。予想以上に大満足な一日を過ごせました!
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おまけ:『アクアティカ』ロケーションカードのスリーブ
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おまけ。『アクアティカ』の「面白そう!」と思ってから買うまでが長かった理由について。ボードゲームはトランプやウノと違い、高価なこともあるが入手性に難がある。極力カードは傷みから保護したいわけで、出来る限りスリーブに入れた上でプレイしたい。特に『アクアティカ』のロケーションカードは、ボードのスロットに差し込むギミックのせいで傷みやすいと思われる。ところがこのロケーションカードのサイズは少々独特。おそらくだが、個人ボードに5枚並べる都合で少し細身になったのだろう。適合するスリーブがない。いや、厳密にはあるようなのだが、海外メーカー品で国内での流通が「?」。某Aで取り扱いがあったものの1パックの値段も送料も高く、必要枚数を買おうとすると『アクアティカ』の拡張セットが買えそうなお値段になる。「スリーブを諦める」か「スリーブのコストを許容する」かそもそも「『アクアティカ』自体を諦める」かで悩み、どちらかというと最後の選択肢になりつつあった。そんな中見つけた適合しそうなスリーブは……いざ買ってみるとほんの僅か、0.5mmほど大きくスロットに入らない! 意を決して……というか「行ける!」と思ってゲーム本体を買ったのに。仕方がないので「スリーブ」を諦めようかとも思ったのだが、ツイッターにあった「横入れタイプのスリーブをカットして使う」を試してみることにした。結果、これが上手くハマった。
使った製品は「やのまん」社の「インナーガードサイド」。横入れスリーブはインナー用であることが多いため、おそらくどのメーカーの品でもカットさえそつなくこなせば綺麗にフィットするだろう。私は13.5mmほどカットした。ボードのスロットに対してギリギリな寸法になったが、カードの横幅ギリギリを攻めるとカードの保護性が落ち、本末転倒だと考えた。スロットの傷みは仕方がない。基本セットのロケーションカードは56枚。この後拡張セットも買うと30枚か40枚ほど追加されるようだ。少なくはないが、“普段やっていること”を思えば決して無理難題ではない。鉄道模型で培った技術と忍耐力がこんな形で活かされようとは人生分からないものだ(笑)
以下、さらなるおまけ。
≪スリーブの「インナー」とは?≫
トレーディングカード界では、カードをより厳重に保護するためにスリーブを二重にすることがある。通常サイズの外側に一枚追加するのではなく、内側に装着するためのカードサイズぴったりギリギリのアイテムが売られている。それが「インナースリーブ」や「インナーガード」と呼ばれるものである。
余談であるが、私が『ナショナルエコノミー』のカードに付けているスリーブは「インナータイプ」である(横入れではなく一般的な縦入れ)。普通のスリーブを使うと元の箱に収まらなくなるため、その昔『MTG』用に買って余っていたものを有効活用した。インナータイプの方がカードぴったりで気持ちが良く、その後『パリの屋根』などにも採用している。ゲームによってはインナーでは縦方向のサイズが足りないことがあり、通常タイプも手放せないのであるが。そしてそもそも、如何なるスリーブであれ元の箱には戻せなくなるゲームもあり、カードの保護か、収納の美しさを取るかで悩まされることになる。
≪スリーブの有用性≫
そもそもスリーブが必要なぐらいそのゲームを何度も繰り返し遊ぶのか? 『MTG』みたいなトレーディングカードの場合、単体で値が張るレアカードの存在がありスリーブはある種必須であろう。ではボードゲームの場合――私は『ドミニオン』をカードがボロボロになるまで遊んだ。しかも『ドミニオン』では、ゲームごとに使うカード、使わないカードがある。ゲームの性質上1回のゲームで何度もカードをシャッフルする上に、ゲームで使うカードの中でもシャッフル回数に差が出る。裏面が綺麗なままなカードと擦り切れたカードがはっきりするようになり、私は新たにセットを買い直した。スリーブと共に。
「『MTG』で余ったスリーブがなかったのか?」という問いには「あったが、『ドミニオン』のカードは『MTG』とサイズが違った」とお答えしておく。『MTG』の方が一般的なサイズで、『ドミニオン』は「ユーロサイズ」と呼ばれる規格だった。
さて、劣化を全く気にせずスリーブに入れてないゲームがある。例えば『ニムト』、それから『クク』。この2つはそれなりの回数遊んでいるが、『ドミニオン』ほどではないせいかカードにくたびれた様子はない。『ドミニオン』が少し異常なだけじゃないか。特に最近買ったボードゲームを『ドミニオン』ほど遊ぶことはないんじゃないか。つまりスリーブも不要では、と思いつつも多数のカードをスリーブに入れている。今日ご紹介したゲームのうち、スリーブに入っていないのは冒頭の『スノーコロニー』と、擦り切れたところで全く問題ない『アクワイア』の2つだけである。
≪7つのボドゲ≫
この日の戦績をまとめておくと、
・スノーコロニー……1位
・ドワスレ……1位、1位
・アクアティカ……2位
・ナショナルエコノミー(プログレス)……2位
・シ祖狩リ……1勝2敗
・アクワイア……1位
・パリの屋根……3位、3位
勝率高めだが、全員が初プレイで私はゲームのオーナーだから当然の結果とも言える。むしろ『シ祖狩リ』はともかく『パリ屋根』については「なんだお前その醜態は」だ。
7つすべてのゲームが「面白かった!」のだが、買う時の期待と比べてどうだったか。正直に言って、どのゲームも「面白そう!」と思って買ったものの温度差はあった。しかし遊んでみた後で振り返ると、7つのゲームの「面白かった!」に甲乙を付けるのは難しい。買う時、買ってから改めて説明書を読んで感じた「面白そう!」と遊んでみての「面白かった!」には差がある。どのゲームにもプラスアルファの楽しさがあって、それは一緒に遊んでくれたメンバーが演出したものなのかなと気付いた。みんなが時には勝利を目指し、時には面白さを追求して手を選んだ。ゲームを楽しもうという気持ちがゲームを面白いものにしてくれた、きっとそうに違いない。そう思うと、どんなつまらないゲームもこのメンバーなら面白おかしくしてくれそう、そんな気がしてくる。ボードゲーム界では「一緒に遊んでくれる仲間」が何よりの宝とされているようだ。その言葉の意味を、真に理解した一日となった。
そんな感じで、ボードゲームは何を遊ぶかより誰と遊ぶかの方が重要なことに気付いた。これにて「沼」から脱出できそうである……なんてことを期待していたのだが、やっぱり気になるゲームを馴染みのメンバーで遊んでみたい気持ちに変化はない。そしてこれからも、新たに面白そうなゲームを発見してしまうだろう。でももうちょい、節度は弁えるべきだよね。
・積んでるゲームの数:21(*1)
・気になるゲームの数:20以上?
*1 『ナショナルエコノミー』の残り2つや拡張セットは含まない
(2026.02.22)
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