2025年8月に読んだ漫画

タイトル巻数評価
< 新刊 >
  ドラゴンクエスト ダイの大冒険 勇者アバンと獄炎の魔王 13  ☆☆☆
  ゴールデンマン  ☆☆☆
  京四郎 少年ヤクザ編  ☆☆
  Q.E.D.UNIV. ―証明終了―  ☆☆☆
  ないない堂 〜タヌキ和尚の禍事帖〜  ☆☆★
  はじめの一歩 144  ☆☆☆
  グラゼニ〜大リーグ編〜  ☆☆☆
  ご注文はうさぎですか? 13  ☆☆★
< 既刊 >
  ワンパンマン 33  ☆☆
  黙示録の四騎士 10  ☆☆☆
  黙示録の四騎士 11  ☆☆☆
  黙示録の四騎士 12  ☆☆☆
  王様の仕立て屋〜サルトリア・ナポレターナ〜  ☆☆☆
  レッドブルー 12  ☆☆☆★
  追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する 12  ☆☆☆★
  追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する 13  ☆☆☆★
  戦隊レッド 異世界で冒険者になる  ☆☆☆
  ホテルメッツァペウラへようこそ  ☆☆☆
  廻天のアルバス  ☆☆★
< 既刊(Kindle特価枠) >
  エウレカセブンAO 4,5/完  ☆☆
  デッドマン・ワンダーランド  ☆☆★
  まおゆう魔王勇者 9,10  ☆☆★
  ダンタリアンの書架 全4  ☆☆★
  4P田中くん 45-51
/完
 ☆☆★

 

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険 勇者アバンと獄炎の魔王】
 アバンはどうしてルーラ(の着地)が下手くそなのだろう? 少年ヒュンケルの採点によると「5点」らしいが、満点がいくらか気になるところ。(現実世界の競技の)体操だったら10点満点? とすればこの惨状で5点はかなり甘めな気がする。
 怪人島で武器マニアのお爺ちゃんグノータといろいろと。そこへ敵が現れて、アバンは「今お話ししていた件、頼みます」と戦いに出向く。これ「件」ってなってるけど、しばらく後の回想場面を見る限り「剣」の誤植にも見える。作者の意図はどっちだったんだろう? 私なら最初は「件」にしといて、回想場面ではしれっと「剣」にしちゃうかも。
 孫娘のシュプレ。爺さんの趣味に付き合わされているうちに、武器の使い方が分かるようになっていた……というのは想定内。でもそれだけ(実戦経験はおろかそれを想定した訓練すらなし)でべルクスの相手が務まるとは思えない。といったあたりを考慮してか、「奇襲で一発ぶち込んだらさっさと退散」に落とし込んだのは話作りが上手い。

【ゴールデンマン】
 花魁トルーパー対モロボシ(本物)は花魁トルーパーの圧勝で何か安心。いや、彼女も敵側なのだが。
 敵の本拠地?新壽区へ潜入。多元宇宙とかいう話が出てきて、ネオヨークと新壽区が表裏一体とか言われて、さらにいろいろと話が続いて、セロじゃないけど話が難しくてこんがらがってきた(笑) 作者、ちょうどいいところでストップ掛けたね。

【京四郎 少年ヤクザ編】
 う〜ん、やっぱ『京四郎』にこういう試合形式の話は合わないような気がするんだがなあ。あとどんぐらい続くんだろう。

【Q.E.D.UNIV. ―証明終了―】
 大学生編が始まった。ところが現実世界ではハーバード大学があんなことになっちゃって……この後の『一歩』といい、現実世界とリンクしすぎじゃない?(たった2例で何を大袈裟な)
 何はともあれ、「続き」で基本的に話の方向性は同じ。舞台がアメリカになっちゃったけど、この人たち今までも割と気軽に海外行ってたし、今回も話の都合であれば簡単に日本に戻って来そうだからあんまり関係ないでしょう。

【ないない堂 〜タヌキ和尚の禍事帖〜】
 のっぺらぼうの話は現実の事件をヒントにしてるのかな? 何か若者騙して海外に連れてって、犯罪に加担させる系の。それも所謂「闇バイト」って言うのかな?

【はじめの一歩】
 現実世界では2人のボクサーが試合後にこの世を去るという痛ましい事があった。連載派と単行本派で時間的なギャップはあるだろうが、なんというタイミング。前の巻のところで書いた展開予想(いつもの例で行くと当たらないやつ)の一歩復帰プランが難しくなってしまった……? にしても一歩よ、そこで禁止ワードを出しちゃうあたりトミ子が指摘した「ボクシングを連想させる」存在そのものじゃねえか。

【グラゼニ〜大リーグ編〜】
 丸金、お前そんなこと(独立リーグ)になってたのか……。でもパワハラと後輩いじりって線引きが難しいよね。夏之介のナックルが捕れるのも一軍投手の球が打てるのもご都合主義。でもまあ、漫画だからね! というわけで次の9巻は丸金を引き連れてWBC編……かな?

【ご注文はうさぎですか?】
 不良コーデのココア&フユが仲間だと思って寄って来たワイルドギース可愛い。不良コーデココアに抱っこされる野良うさぎ可愛い。対抗してワイルドになるチノにライドオンされてるワイルドギース可愛い。
 以下「うさぎ可愛い」で原稿用紙埋められそうと思って楽しみに読んでたのに、後半全然出てこなくて残念でした!

【ワンパンマン】
 あーハイ。サイタマ対ガロウもこんな間延びした感じになっちゃってるんですね。それもそうか。今まで散々だったものがいきなり真っ当になるはずもないか(かなり辛辣)。

【黙示録の四騎士】
 アーサー、お前……って感じ。側にいたマーリンは本物じゃなかった。しかもそれを指摘されて逆ギレする。まあそれはさておき、マーリンだと思ってたのがマーリンじゃなかった。では本物はどこにいる? それはもちろんこの後のお楽しみ。多分いいところで登場して、一行のピンチを助けてくれるに違いない。
 『七大』の最後の方からその後がよく分かってなかったゼルドリスは魔界で魔神王になっていた。考えてみれば順当だ。兄メリオダスがリネオス国王になったんだから、他にこれ以上の適役もいないだろう。まだ登場コマ数が少ないからよく分からないが、メリオダスと違ってちょっと身長が伸びた気がする。あと、ちょっとベジータっぽい感じがしたのは私だけ?

【王様の仕立て屋〜サルトリア・ナポレターナ〜】
 コートのお話。戦場カメラマンの話がチラッと蒸し返されたが、あの話は面白かった。いや、カメラが出てきたからではなく、普通に服飾の話として印象に残ってる。

【レッドブルー】
 予想外れた(笑) もはやこれは様式美――というわけで、時和の試合を見て触発される青葉。そしていきなり時間が飛んで2年後に。これ、連載で読んでたらきっと焦っただろう。こういう「○年後」って完結するときの場面転換に使われがちじゃないですか? その次の話のタイトルも『その後の彼ら』だから、俗に言う「俺たちの戦いはこれからだ!」で終わるパターンに見える。本作の場合は無事続くようで何より。

【追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する】
 カロス撃破。止めは刺さずに情報を引き出そうとするエルマだが、そこにヒルデが現れ「最悪のタイミングだ」と焦る。しかしカロスはヒルデを突き放し、自ら死を選ぶ。というちょっとしたしんみりするシーンに水を差して悪いが……HPがギリギリになってもピンピンしていたエルマ(毒のせいで多分鈍ってはいたんだろうけど)。一方で胸部を貫かれ、さらには片腕を切り落とされて地に伏したカロス。この時のカロスの残りHPはいくつだったんだろうか? 良くあるゲームなら、HPが僅か1でも満タンでも攻撃力や防御力は基本的に変わらないものだが、ここでのカロスは明らかに反撃する力を失っていた(自決用の攻撃魔法は普通に撃ったが)。参考までにエルマは、残りHP14(満タンの約5%)で普通に動いていた。もっとギリギリまで削らないと現実世界的な瀕死状態には陥らないのだろうか(でもエルマ、スキルのために自分でHP削ってた場面あったよな? あんときはいくつだったかな?)
 貴族の話し合い。エルマの父アイザスにハーデン侯爵、そして新登場の2名の伯爵がテーブルを囲む。新登場のうち1人、ヴェルム・ヴィルスは今回一切発言せず、一見して何か裏がありそう。と見せかけて、もう一人のヒルマン・ヒーツが「なんと恐ろしい」と驚いてる様子もわざとらしく思える。初見で一番怪しげな風体だったハーデン侯爵が今や信頼できる味方ポジションになりつつあるのだが、ここからもう一回ひっくり返すシナリオだったとしたらなかなかのやり手だと思う。
 13巻は賭け事に負けたケルトを助けるところから始まる。超豪運のルーチェが豪運一本でねじ伏せるのだが、冷静に考えるとケルトもなかなかの豪運である。主人公の仲間サイドになったが故にこうしたピンチで助けが入るんだから(笑) その後のなんやかんやで、エルマが突拍子もないことを言い出したので凄い形相で「エルマァ!?」と驚くケルト。こういう表情を描けるのって漫画家に必要な能力だと思う。いくらカッコ良くても決め顔だけじゃあストーリーが成立しないからね。

【戦隊レッド 異世界で冒険者になる】
 いやー、なんかもう本当に最終決戦に入ったって感じ。読んでないのがあと1冊あって、来月さらに1冊発売される。先月書いた「最新刊に追い付いたと思ったら最終巻だった」が現実味を帯びてきたぞ。

【ホテルメッツァペウラへようこそ】
 アードルフの元恋人?が登場するが……年齢が合わないような気がする。アードルフってひょっとして見た目より若い? でも回想シーンだと黒い髪が今は見事な白髪だしなあ。それに連動してクスタももっと若くなるのでいろいろ無理がある。とまあ、この辺追究すると話が楽しめなくなりそうなので気にしないことにしよう。

【廻天のアルバス】
 ゼアルク離脱。なるほど、そういうパターンもあるのか。でもまあ、このまま永劫の別れってことはないよね?と思ってたら巻の終盤、場面は魔王城で早速再登場。
 で、今さらながらに思ったのだが、本作の魔王ってあんまり「魔王様!」って感じがしないよね。迫力というか威厳というか威圧感に欠ける。鎧姿は『怪獣8号』の怪獣っぽい感じがしてあれだし、本体は人間だから仕方ないかもだけど貧弱に見える。ゼアルクによると恐ろしい魔力量みたいなんだけど……あの、その、これ言うと角が立つかもだけど、画力のせいか今一つ伝わって来ないんだよねー(目を逸らしながら)。っていうか距離が近すぎないかな? 魔王の座がある場所の高さが段4段分ってのがまず足りない。部下はもっと高みから睥睨しないと。椅子も魔王が座るものにしてはしょぼい。何より、ゼアルクの表情が全くひれ伏してるように見えないのが一番ダメかも。

【エウレカセブンAO】
 これで『エウレカセブン』シリーズ通して完結ということでいいのかな? 結局あまり物語の世界に浸れなくて「ふーん」という感じで終わってしまった。やっぱアニメを観てないのが致命的だったかなあ。でもアニメ観てる前提で漫画版作られても、ね? アニメ観てない人にも興味持ってもらえるようにしないとメディアミックスの意味がない。

【デッドマン・ワンダーランド】
 謎の赤い男にクラスメイトを惨殺され、冤罪をかけられて民営刑務所「デッドマン・ワンダーランド」へ投獄される五十嵐丸太(いがらしがんた)の物語。
 正直なところ『エウレカセブン』と同じ作者の作品なので「こりゃ期待しない方がいいな……」と読み始めたのだが、普通に面白い。期待値が低かったから故にそう感じるのかもしれないが、全部で13巻あるので楽しく読めることに越したことはない。

【まおゆう魔王勇者】
 魔王撃ったのじいさんだと思ってたら違った。それは良かった……んだけど、勇者の「あの爺さんはD以上は殺さない」とかいうセリフの意味が分かるのに時間がかかったぞ。「D」って言ったら普通「吸血鬼ハンター」か「頭文字」か「十字架」を思い出すよね?(それ普通じゃない) ちなみに『Dの魔王』って作品あったはずだけど冒頭部しか読んだことがない……今回ちょっと惜しいと思った。

【ダンタリアンの書架】
 『ここ俺』作画の阿倍野ちゃこの昔の作品……原作は小説なので、『ここ俺』同様作画担当ということになる。「幻書」と呼ばれる人智を越えた力を持つ書物を巡っての物語なのだが、いろいろと『Re:ゼロ』を連想する。ひょっとすると鼠色の猫さん、この作品をモチーフにして「ベアトリス」とか「叡智の書」を物語に登場させた可能性も?
 鉄オタ目線で言うと「時刻表」が垂涎の的になりそう。説明によると「時間を越えてあらゆる列車に乗ることが出来る」――本来時刻表ってそういうもんだけど、私は「乗る」より「撮る」方が好きだからちと微妙かな(もちろん一番は「模型」で、それが9割以上を占めている)。

【4P田中くん】
 全51巻から逆算するとラストをどう組み立てるのか不思議だったのだが、最後は夏の甲子園第一回戦のプレイボールの声で締めくくられていた。その後のことは読み手の想像に委ねるという、これはこれで一つの形だろう。作品を通してのテーマとしては「野球が好き」ということでいいのかな。いろいろと突っ込み入れたいところとか、場面によっては長ったらしいところとか、言いたいことがないこともないのだが、古い作品であることを考慮に入れて「いいラストだった」と評しておこう。

―――――
 新刊は8冊と十分な数が出た。『京四郎』は正直なところちょっと微妙だが、高校生の頃にハマってた漫画の続編だし、『ジャン』の続きよりはいくらかマシだからもうしばらくは様子見する。
 既刊は中期が終了した。最新刊まであと少し、という中途半端なものが多くなってしまったが、その辺りは後期で適宜処理して新刊戦力へと組み入れていく。Kindle特価枠は、『エウレカセブン』シリーズが終わって同じ作者の『デッドマンズワンダーランド』へ。『4P田中くん』も完結したので、来月は同じ作者の『天のプラタナス』を予定している。

(2025.08.31)
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