8月と9月に
“サマータイム”を導入してみた話

  
[ 暑すぎる夏 ]
 ようやく涼しくなってきたが、今年の夏もとんでもなく暑く、しかも長く続いた。私が普段模型を作っている部屋は古い実家の一室。この部屋には現在冷房装置がない。今年、私が観測した範囲内で電波時計の温度計で最高35度少しを超えた。とてもではないが扇風機だけでは過ごせる環境ではない。時間を区切って30分程度、それが一度に集中して作業できる限度だった。そしてもう一つ。私にはバッティングセンター通いという趣味があるが、バッセンに行く以外も普段から庭で素振りをしている。庭も屋外で、当然のことながら暑い。去年までは何とかだましだまし活動していたのだが、今年はとうとう音を上げた。

[ 1日で最も涼しい時間帯 ]
 7月28日の日曜日、サイトを更新し終えた私は悩んだ。この暑さでは模型制作も素振りもままならない。当たり前のように最高気温30度半ばが並ぶ天気予報を見ながら、何とかならないものかと思案していた。1日の気温変化を見ていると、1日で最も涼しくなる時間は朝の5時。それでも十分に「暑い」部類に入るが、比較的マシで、ギリギリなんとかなりそうな気温だった。かくしてここ20年以上、超夜型生活を通してきた私は朝型への急激なシフトを決意したのである。その日の就寝時刻、8時過ぎ。今まで夜中の12時1時に寝ていた人間が突然8時に布団に入って眠れるのか? 懸念はあったが問題なく眠りに落ちた。私は自称ではあるがロングスリーパーであり、基本的に年中通して“寝不足”気味なのだ。

[ 5時起床 ]
 朝の5時、目覚ましが鳴る。最初のうちは目覚まし頼りだったが、慣れてくると目覚ましの鳴る5分ぐらい前に目が開くようになった。起床直後が最も涼しい時間帯なので、本来ならばまず素振りから始めるべきなのだが、流石に起きた直後は頭も体も起きていない。以前どこかで「起床直後の激しい運動は控えた方がいい」みたいな文言も読んだことがある。心臓だったか循環器系かに悪い影響があるらしい。というわけでまず朝食。次に模型制作。そして素振りというルーティーンを開始した。「一日で最も涼しい」と言っても27〜28度ぐらい。素振りを終える頃にはギリギリ30度になるかならないかで、汗もびっしょりかいている。そのまま1日を過ごすのは気分が良くないのでシャワーを浴びる。5時に起きて活動するとお腹が減るので朝食パート2。最初にガッツリ食べればいい話なのだが、とにかく朝に弱い体質なので起きた直後はあまり食べられないのだ。その後いつもの日常生活が始まる。
 昼過ぎぐらいから眠くなって頭がぼーっとしてくる。朝早く起きる代わりに夜は早く寝ていたので、睡眠時間は概ね8時間以上を確保できていたはず。夜型生活をしている時はうっかり夜更かしして睡眠時間7時間を切ることも多々あったので、しっかり寝ているはずなのになぜ? 開始した直後は、夜中の12時1時ぐらいに一度目が覚めたりと、睡眠時間は長くとも眠りが浅かった可能性はある。しかしそれも程なくして解消したはず。日の入りと共に寝て日の出と共に起きるのは、生物学的には理に適った睡眠のはずなのに、もしかすると私はロングスリーパーではなく夜行性の動物だったのか?
 もう1つの謎は、やたらお腹が減ること。昼食時までにお腹が減るのはまだ分かるのだが、昼食の後、夕食までにとてもお腹が減る。これの理由がさっぱり分からない。一応思い当たるのが、夜更かし生活時代は11時ごろに夜食を食べていた。ラーメンとかピザとかスナック菓子とか。朝食パート2は軽いものなので、明らかにここで摂取カロリーは減っている。だけれど昼食の量が減ったわけでもないのに、夕食までの間にとてつもなく空腹に襲われるのは訳が分からない。ちなみに、体重は減らなかった。ちなみについでに、夜食を食べなくなったせいで、夜食用に買っておいた袋入りラーメンに賞味期限切れが発生した。後日食べたけどね。

[ 延長戦突入 ]
 当初の予定では8月いっぱいぐらいでやめるつもりだった。9月になれば多少気温も下がってマシになるだろう、という希望的観測に基づく計画である。皆さんご存じの通り、その思惑は見事に外れた。9月に入っても暑さが続いたため、サマータイムも続行。最終的に9月29日起床時まで約2ヵ月間続けることになった。
 生活リズムとしては慣れてくれば全然問題なかったのだが、辛かったのは起床したときに辺りが真っ暗なこと。8月ぐらいはまだ「薄暗い」程度だったものが、9月の途中からは完全に「未明」。目が覚めて、まだもう一眠りしていい時刻なのか5時前なのか分からないのはちょっとしたストレスだった。あと、多分暗いうちに起きるというのは遺伝子レベルで体が拒否するのか、徐々に目覚ましが鳴ってもなかなか起き上がる元気が湧いて来ず、5分、10分とベッドから離れるのが遅くなっていった。実際のところ、夜寝る時間も「8時目標」としつつほとんど8時半を回っていた。続けているとだんだんだらけてきて、9時を回る日も増えてきたり。5時起床自体が三日坊主で終わらなかったことは我ながらよくやったと思うが、入眠時間が少しずつ後ろにずれてきたのは如何ともしがたい悪癖である。

[ あれこれ ]
 洗濯物を干すのはだいたい6時ぐらい。異常な暑さも手伝って10時ぐらいには乾き切っていた。昼前ぐらいから出かける日が結構あったので、出かける前に取り入れられたのは大きなメリット。外出中に雨の心配をしなくていいということだが、8月9月はそもそもあんまり降らなかったね……。
 去年までは水筒(代わりのプロテインシェイカー)に氷とスポーツドリンクを入れて、素振りの合間合間に休憩がてら水分を補給していた。サマータイム中は、そもそもの運動に充てられる時間が長くないということもあって水分補給なしで活動。結果スポドリの消費量が大幅に減り、夏前からコツコツ近所のスーパーで買い溜めしていた2リットルのペットボトルが“余って”しまった。多分年内いっぱいは買わなくて大丈夫。
 素振り以外に軽くランニングもしていたのだが、こちらは完全に中止。時間がないのに加えて、そもそも夏場は暑くて走ってられないので例年ほぼサボっている。代わりにDDRするつもりだったのだが、DDRも発汗量の割にはランニングの代わりにはなってない気がする(体の移動をほとんど伴っていない)。新たに考えたのが「階段昇降」。ただただ1階と2階を行ったり来たりするだけなのだが、新聞だったかの健康欄で「1日5階分程度の階段を上ると良い」みたいなのを読んだことがある。というわけで私は20〜25往復。効果があったかどうかはよく分からないが、10月に入ってランニングを再開したとき、例年の激しい息切れがなかったのは良かったと思っている。まあでも、軽く走っただけで足がプルプル震えたので、完全な代わりにはなってないようだ。
 9時にはお布団の中で夢の世界――なので、それ以降の連絡は完全スルー。朝起きてから夜10時ぐらいの後輩からメッセージを確認、みたいなのが何回かあった。私はスマホと一緒には寝ないので何時に連絡が来ても睡眠の妨げにはならないのだが、相手はどうか分からない。なので朝起きてすぐ返信すべきかどうかはかなり悩んだ。真っ当な社会人生活を送ったことがないので、朝5時台が非常識か否か判断が付かない。ちなみに現在自営業の私だが、かつては学校教員をしていた。その時代でも5時は寝ていた……5時に起きてたのは教育実習の期間だけ。6時前は流石に早いよね? そんなわけで返事は、大体お昼まで放置していた。困るのが各種通販の発送通知。朝起きてうっかりメールチェックを忘れたりすると、突然配達が来て……いや、家にいるときに来る分には問題ない。発送されたのが分かっていれば事前に配達変更など対策も打てるのだが、知らずに外出して帰ってきたら不在票のパターンは配達の人に申し訳ない。

 他、細々としたことはまだいくつかあるのだが、既に長くなっているのでこの辺でやめておこう。何のかんので「サマータイム」は楽しかった。来年もきっと暑くなったら導入すると思う。今年は終了したものの、その“余波”はまだ残っている。サマータイム前は毎日深夜1時ぐらいまで夜更かししていたのだが、最近は概ね11時ごろまでに寝ている。朝も少しだけ早起きだ。徐々に後ろへズレてきてはいるのだが、ギリギリのところで耐えている。筋トレの本に「筋肉の合成が行われるのは夜11時〜1時の間だから、11時までにしっかり寝よう」とあったので、出来れば今後もそうしたい。そもそも今までそれを知っていながら夜更かししてたの?って話ではあるが。尤もこの2ヵ月半以上で筋肉が増えた実感は全くない。言われた時間にきっちり寝てるのに! そこだけは裏切られた気分だ。

(2024.10.22)
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