橘雪翼の、侃侃諤諤喧喧囂囂

平成19年3月上旬分

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平成19年3月10日

  先日の赤い電車(画像で侃侃諤諤のやつ)の塗装に入ったのだが……やっぱり18両は多い。6両塗るのに1時間程度、18両だと3時間かかる。大変だ。下地塗装→白色まで塗装が終わったので、次はマスキングして赤色。なのだが、マスキングも18両となるとかかる時間が天文学的数値(って、そんなわけはないか)。1両あたり30分前後は掛かってしまうので、18両一気にやると1日がそれだけで潰れてしまう(苦笑) 現実的に考えて、2回か3回に分けて塗装するべき。できれば1日9両2日で終わらせたいなぁ……という淡い期待でもってマスキングスタート!
  ――3両終了時点でガス欠
無難に6両ずつ3回に分けてやるのが賢明かな。とかいいつつ、明日は雨で塗装できないようなので、残りの車両をまとめてマスキングするかな……。


平成19年3月9日

  今月もまたあの時期になった。あの時期とは、毎月マイクロエース(鉄道模型の会社)が新製品を発表する10日前後である。あのメーカーの製品は、新製品発表は面白いのだが、実際出てくる製品を見ると膨らんだ期待が一気に萎む(ことがある)のが大変なんだよなぁ。あと、1回に7つも8つも製品を発表するので、そのうちの半分が欲しいともう大変。さらには5ヵ月後の製品を発表する上に受注の締め切りが月末らしい。ので、悩んでいる暇があまりない。というのも、予約をしないと手に入らない可能性が若干ながらあるので、欲しければ月末までに予約するべきなのだ。そういう小売店もエンドユーザーも泣かせるダメメーカーマイクロエース。と断言したいところだが、マイクロエース製品の大部分はマイクロエースしか製品化しないようなものだったりする。だからある程度は嬉しいのも事実。最近元気がない老舗カトーのこともあるし、一応業界の賑やかさはマイクロエースのお陰で保たれているという考え方がないでもない。
  で、今月も欲しいのがいっぱい……。まずは京阪電車。の特急型車両。京阪は私にとって、使用頻度から言うと関西私鉄の中では4番手になる。とはいえ、しばしば京都に行くときは京阪を使う。その際に見る京阪電車ってのはなかなか面白いので、製品が出たら欲しいのだ。次に国鉄キハ07。「夜行鈍行」の模型ページでキハ09という車両を紹介している。見出しはキハ45だが。それの2つ手前の番号の車両だ。とはいえ、重要な関連性があるわけではない。ただ「0x」という番号にはとある共通項がある。元々別の番号が付いていたのだが、あまりにもややこしい番号体系だったせいもあってかあるときに「称号改正」というものが行われた。そのときにキハ45という車両がキハ09になった。ちなみに、いつかこれも製作しようと思っているのだが、キハ45の両運転台バージョンのキハ40はキハ08になっている。で、キハ07も元はキハ42500という名前だったのを改められたのだ。称号改正の前から存在し名前が変わった車両、それが「キハ0x」という名前の共通項だ。と、思ったんだけど、ひょっとしたらキハ01〜03は製造された直後からそういう呼び名だったのかもしんない。トミックスからキハ02と03は既に製品化されており、そして今月キハ01が出る。グリーンマックスのキットでキハ04とキニ05というのが出ている。改造すれば確かキハ06が作れたはずだとおぼろげながら記憶している。キハ09は私が作ったようにグリーンマックスのキット改造で作れて、基本的な部分が同じキハ08の製作も難しくないはず。今度マイクロエースからキハ07が出れば……キハ01〜09までがコンプリート可能! とまあ、あほなことを考えていたのだがそれはそれで面白そう。なのでキハ07も買うべきなのか……?
  とまあ解説したけれど、実はキハ07ってどんな車両かよく知らない。ので、調べてみた。古い車両なので実車写真なんてほとんど残ってないと思われる。ウェブを探しても出てくるかどうか……と検索を開始したらあっさり見つかった。同じ鉄道模型の、Nより大きいHOゲージで製品があるらしい。その名はフクシマ模型。聞いたことがある。キハ06やキニ05も出しているメーカーだ。そうだ、キハ06というのはここで知ったのだと思い出す。問題のキハ07は、前面部が丸い形をしている。丸いと言えば現代の車両は大概みな丸いのだが、違う丸さである。現代の車両は3次元的に丸いが、このキハ07は上から見れば半円だが横からみると四角形である。と言えば大体イメージしてもらえそうだが分かるだろうか? 車体全体が楕円柱になっている――で通じるのは理系人間に対してのみかなぁ。ま、そういう形の車両で、言われて見れば見覚えがある車両でもある。フクシマ模型のサイトの商品説明の実車紹介に、JR九州で保存されていると書かれており写真も掲載されている。ひょっとしたら、門司にある鉄道記念館に保存車両が展示されていてそれを見たのかもしれない。ちなみに、前面部分が改造されたものの鹿島鉄道で現役で走っているらしい(!)。
  というわけで、購入(ほぼ)決定。さてでもまだ悩みが終わらない。マイクロエースは車両の製品化にあたり、必ずこういうことをやってくる。「登場時」「現行」「末期」等々の、いわゆるバリエーション展開。プラスティック部品は金型を使って成型する関係で、たくさん作る方がコストパフォーマンスが良くなる。なので、全く違う製品を2つ作るよりは部品の使い回しが出来る製品を2つ作る方が旨味が大きい。なおかつ、そういうことをやって数を作って売らなければ金型代が回収できないのも事実らしい。というわけで、カラーバリエーションや仕様の違いと言うのはどこの(鉄道模型)メーカーもやることであるが、マイクロのそれはあまりにも露骨でえげつない。今回のキハ07は、初期のキハ42500時代の旧塗装と、キハ07になってからの2つの時代を製品化。というわけで、買うとなると選択肢が3つ出てくる。
1:キハ07のみを買う
2:キハ42500のみを買う
3:両方買う
キハ07は4両セットでキハ42500は2両セット。できればこういう1両で走るディーゼルカーは単品売りして欲しいのだが……。色の塗り替えは簡単な部類なので、4両セットを買って2両塗り替え……というのが賢いようでそうでない。動力車両が1両しかないので困ったことになる。しかも、時代が違うのをきちんと作り分けするようなので、安易に塗り替えてOKというわけにも行くまい。ま、細かいところは、実車を詳しく知らないことを理由に「雰囲気」という最強のキーワードでもって流してもいいのだが。話が長くなるが、旧塗装というのはその昔私の頭を悩ませたことがある。青3号と黄褐色2号というツートンカラーが古き国鉄時代のディーゼルカーの標準塗装であった。そしてこの2つの色は、あまり他の車両には使われていない。資料も少ない。だからどんな色なのか良く分からない。のだが、HOゲージをやる人には古い車両が好きな人が多いせいか、マッハ模型から金属用塗料でこの2つの色が発売されている。マッハ模型すごいよ。で、とある車両に塗ってみた。青はともかく、黄褐色2号がすごい色だった。すごい色というのもムチャクチャな表現だが、青3号と黄褐色2号という組み合わせは、おおよそいいカラーリングとは思えない。そんな取り合わせだった。はっきり言って、黄褐色2号はどんな色と組み合わせてもいいカラーリングにはならんのではないか。それぐらい華のない色だった。ところが、ウェブ上や雑誌でしばしば見かける国鉄気動車旧標準色を謳うカラー、黄褐色2号の部分が綺麗なクリーム色をしている! 実車と比べてどちらが正しいのか分からないが、明らかにクリーム色と青3号の方が模型として見栄えする。だから悩んだ。塗った車両をしげしげ眺めつつ、塗り直すべきか。それとも本来の国鉄気動車旧標準色はこういう色合いなのだと納得するべきか。今フクシマ模型のサイトを見ると、どちらかというとマッハ模型の黄褐色2号を塗ったものの方が近い色合いの製品写真が出ている。Nに塗るのとHOに塗るのとで同じ色でも雰囲気が変わるせいか、私が塗ったやつの方が暗いイメージだが。さて、マイクロエースがどういう色合いでキハ42500を出すのか大変楽しみである。ちなみに、私が塗った国鉄気動車旧標準色の車両は、諸般の都合によりまだ完成していない。去年の9月ぐらいかな、塗ったの。動力ユニットをどうするかで悩み始めて、まだ解決していない。
  結論として、両方買っておくのが正しいコレクターとしての在り方だとは思う。どういう結論なのかよく分からないが。
  最後に、関西モノとして阪和線で走っている205系1000番台もラインナップされている。これまた関西に住む人間として買うべき一品。先月に続き欲しいものが目白押し!で大変なところだったのだが、辛うじてこれは避けることが出来た。何故か。それはグリーンマックスのキットを製作して既に持っているから。完成品と比較して、ライトが点灯しないというデメリットが存在するが、それだけのためにわざわざ買い直すデメリットとは比べ物にならない。去年の旧型国電70系に続き、キット自作がマイクロ製品の魅力に打ち勝った。両方阪和線がらみなのは、何かの力が働いているせいだろうか?(笑)


平成19年3月8日

  今日も画像で侃侃諤諤。
料理は勝負だ!
秋山の魔法とくと味わえ!
カカカカカカカーッ!


  まあ、画像で侃侃諤諤にするほどのことかと問われると、冷静に考えてそうでもなかったのかもしれないけれど、ぶっ飛んだ題名と共に私の興奮が伝われば、ということで。


平成19年3月7日

  画像で侃侃諤諤。
圧巻?

  今日の夕方、庭で少し体を動かしていた。夕日が庭木に差してちょっぴり綺麗だった。ので、久々にカメラを取り出して撮影。
  ――しようと思ったら
電池が切れているじゃないか! ということで、電池蓋を開けて電池交換
  ――しようと思ったら
電池入ってないやん!
  ――と思ったら
モータードライブ装着用の蓋を開けていることに気付いた(※モータードライブ:旧型カメラなのでフィルムの巻上げは基本的に手動。それを自動でやらせるための装置がモータードライブ)。
  ――やれやれだぜ(承太郎、もしくはソル風に)
全く、そんなことも忘れるほど長いことカメラをいじってなかったのか。ま、いじってた頃でもごくまれに間違えてモードラの蓋を開けていたような気がするのだが。だいたいモードラの蓋と電池の蓋が似すぎているんだよ。部品共用のためか? どちらか片方は着色しておこうとか思わないのか?
  ――……!
それいいな、片方は黒く塗りつぶしてしまおうか。どうせ明日プライマー(金属に塗装する際の下塗り剤)吹く予定があるしな……。
  で、去年の12月あたりに入れたフィルムの残りを撮影終了。で、次のフィルムに突入(笑) 残ったフィルムの消費目的で撮影開始したのなら「木乃伊盗りが木乃伊になる」ってヤツだが、今回は違うのでOKということで……。ということにしておいてね!


平成19年3月6日

裃を脱ぐ気にはなれぬか……

  またまたゲーム話。今日はちょっと違う角度から。例によって「ギルティギア」のキャラクターの「テスタメント」について。あれから何度もプレイしているが、どうやら必殺技「バッドランズ」の際に発声するセリフは「華麗に踊れ!」もしくは「目障りだ!」の2種類のよう。技名をそのまま叫んでいるように聞こえたのは、うるさい環境下での空耳だったっぽい。前作の主力技「グレイブディガー」はそのまま技名を叫んでいたので、その刷り込みがあったせいもあるだろう。
  で、最近の格闘ゲームは凝っていて、各アクション時にしゃべるキャラクターのセリフは実に様々。笑いを誘うものがあったり意外なことを言っていたり。テスタメントの場合、やたら古風な単語や言い回しが出てきたりする。例えば、戦闘開始前に「裃(かみしも)を脱ぐ気にはなれぬか」と言ったり。裃(かみしも)とは手持ちの辞書によると、上下整った衣服とのこと。辞書の見出しは「上下」であったが、「裃」と書く場合は武士の礼装という意味になるようだ。そして「上下を脱ぐ」で、気楽にうちとけるという意味合いになるらしい。ギルティギアのテスタメントのこのセリフは、戦闘前のピリピリした雰囲気に対して「もっと平和な道を進む気はないのか」とたしなめているといったところか。ちなみに、テスタメントのキャラクターは、外見は死神風(吸血鬼ハンター"D"に大鎌を持たせたような感じ)なのだが、設定としては「暴力が嫌い」となっている。興味がある人は「ギルティギア」で検索をかけてもらえれば公式サイトにでも行き当たるだろう。なお、今日これを書くにあたって「上下を脱ぐ」という言葉の意味を調べたのだが、それまでは「大人しく退散する」ぐらいの意味だと思っていた。また、パターンによっては「うわばみにひさごだな、あさましい」なんてセリフも飛び出してくる。うわばみとは大蛇もしくは大酒飲み。ひさごとは柄杓のこと。で「うわばみにひさご」で……??? おそらくは、猫に小判……じゃなかった、「猫にかつおぶし」的な意味だろうか。血の気が多い対戦相手に対し、ガツガツと見境がないと嫌気が差しているということかな。テスタメントが試合に勝つと「妙諦(みょうてい)などないのかもしれぬな」と言う。最初ゲーム上で聞いて「"みょうてい"?」と思ったのだが、攻略本にこうしたセリフ一覧も載っていたので漢字を見てみると「諦」があった。ので、「諦めろ」というような意味だと思ったら、調べてみるとこれまた大違い。妙諦とは「すぐれた真理」だそうだ。これまた勝ってどうしてそういうセリフが出てくるのかよく分からないのだが、推測するに「愚か者には真実が分からないのだな」という意味で言っているのだろうか? さらにもう一つ。とあるキャラクターに勝った後のデモ画面に出てくるセリフに「私は一翼にすら搢紳(しんしん)を従えているのだ」とある。「搢紳」!? 全然意味が分からなかったのでこれも調べた。高位の人という意味らしい。ちょっと解説が必要になる。テスタメントは冥界の生き物を召喚して戦うキャラクター。とあるキャラクターに勝った後の、と書いたが、とあるキャラクターとは悪霊に取り憑かれた不幸な(おそらく)一般人。キミに取り憑いている霊と私が使役している魔物とでは格が違うのだよ、ぐらいの意味になるかな。
  とまあ、たかが格闘ゲーム、されど格闘ゲーム。勉強になることもあるのだ。ま、ここまで聞き慣れぬ単語を連発するキャラクターも珍しいのだが。


平成19年3月5日

  ダメだ……今日はネタがない。


平成19年3月4日

  「日帰りで九州まで!? 一体何のために!?」というメッセージを続々お寄せ頂いて……いるわけではありませんが、ネタもないし説明しておきましょう。友人の結婚式があったので、それに出席していたのですよ。中学高校時代からの友人で、九州の大学に行き、今も研究を続けている友人。徒然〜侃侃諤諤で「博多で友人の家に泊めてもらい」とあるその友人であります。で、昨日の話を文書化……しようと思ったら意外と難しいので割愛させていただきます(陳謝) ま、一言だけ、楽しかったと言っておこう。
  そうそう、地下鉄に乗ったんですよ。福岡市営地下鉄。ここにね、JR九州が乗り入れていたりするのですよ。ここに103系が走っているのですよ!(1週間少し前ぐらいに話題にした、JR九州の103系) で、見たら……やっぱ模型欲しいですね。多分マイクロエースのやつを買いますね。まあ、過去に実物を見かけたからこそキット組む算段立てたりマイクロが製品化発表したりして悩んだんですが。ああ、あとこれも話をしておこう。式は大濠公園というところであったのだが、大濠公園というのは過去に行ったことのある場所である。大きな池があってなかなかいいところだ。4〜5年ぐらい前のことだったと思う。その日に件の友人の家に泊めてもらうことになっていたのだが、ついでなので聞いてみた。「大濠公園ってところに行ってみたいんだけど、どんなところか知ってる?」 友人はこう答えた。「大濠公園? う〜ん、ちょっと聞いたことないなぁ」 ……よもや自分がそこで結婚式を挙げることになろうとは予想だにしなかっただろう。というか、その話題を本人に振ってみたら案の定覚えていなかった。ま、そんなもんだ。


平成19年3月3日

  ただいま。
  ――え?
九州は日帰りですよ。500系のグリーン車はなかなか快適ですね。一般常識(?)として、乗り心地では700系>500系らしいですが、私にはその違いが分かりません。帰りは700系普通指定席でしたがね。そうそう、500系といえば今年の夏のN700系デビューにより引退が囁かれている。事実東海道からは引退決定らしいが、山陽では生き残る……? 私は是非とも山陽新幹線では残ってもらいたいと考えていた。何故ならば、一応500系は世界最速の列車である。ヨーロッパでは近々350だか360km/hだかの運行を始めるようだが、私の手にしている少ない情報では結構延び延びになっていているようだ。せめてその日までは最速の座をやつらの独り占めにして欲しくない。せめて世界最速タイの称号を日本の新幹線に持っていてもらいたい。しかし、今日の帰り買った本を読んでいてそれが大きな誤りであることを知った。
  ――N700系の最高速度は300km/h
なにーっ、てっきり700系と同じ285km/hと思っていた。ちょっと「鉄ちゃん辞めました」宣言後情報をあまりにも収集してなかったからなぁ。あのカッコ悪い面で500系と並ぶのか。何か解せないがしかたあるまい。あれはあれで空力抵抗なんかを考えた結果らしいが。でも言っておく。これは万人の認めるところだ。
  ――500系の方がカッコいい
朝、入線してくる500系を見て改めて感じたことだ。世界最速の座から降りようがこれだけは断じて譲れない。


平成19年3月2日

  新しいことに挑戦中。明日は朝が早いってのに……。あ、明日は九州に行って来るので、更新しないかもしれません。ではではごきげんよう。


平成19年3月1日

模型を作っていて……

  鉄道模型を組み立てる際、モノによっては重要な作業となるのが継ぎ目消し。大抵のキットの場合、妻面と側面が別々のパーツになっていて、接着しても継ぎ目ができる。モノによってはあまり目立たないのでそのまま組み立てを続行できるが、モノによっては致命的なので"継ぎ目消し"という作業を行う。文字通り、繋ぎ目を消すあるいは目立たなくする作業で、基本はパテを埋め込んで段差をなくす。パテの場合、エポキシパテでは硬化に時間がかかる上に2つのペーストを練り合わせるのが面倒。ラッカーパテの場合はその2つの欠点がないが、硬化が速い分粉っぽくなりやすくて塗布が難しい。しかも、溶剤で溶けるので塗装時に若干のリスクを伴う。塗装をミスして剥がす場合、一緒に溶け出すという弱点もある。で、両者一長一短ということで昨今では瞬間接着剤が使われることが多いようだ。かくいう私も最近は主に瞬間接着剤で継ぎ目消しを行う。塗料皿に少量の瞬間接着剤を出し、それを爪楊枝の先で拾って継ぎ目に盛って行く。意外と瞬間的には固まらないのだが、半時間もすると硬化するので、余分な分を削り落として平らにする。
  さて、瞬間接着剤を盛り付けていくときのことである。爪楊枝の先で目的の場所へ瞬間接着剤を塗っていくわけだが、"目的の場所"は広さにして縦15mm、横0.5mmほどの狭い範囲。不要なところに接着剤が付着すると修正が面倒なので、なるべくはみ出さないようにしなくてはいけない。左手で車体を持って、右手で爪楊枝を持つのだが、どうしても細かい作業では手が震えて上手く行かない。ので、右手の親指、人差し指、中指の3本で爪楊枝をホールドし、そして薬指を車体に当てて手の震えを抑える。のだが、うっかり前に塗布した部分(まだ硬化しきってない箇所)に指が触れたりして「ありゃ」となったりすることしばしば。幸いにしてこの用途に用いる瞬間接着剤は、比較的硬化が遅いタイプなので、車体と指がくっついて困るということはない。しかしながらやはり、せっかく盛り付けた接着剤が手に付いてしまうと、再度やり直し。なおかつ指で要らないところまで接着剤が広がってしまう。これは車体をホールドする左手でもよく起きる現象だ。最近は慣れてきてそういうことも減った。と思っていたら……昨日作っていた丸ノ内線の赤い電車、前面パーツを切り継いだ関係で普段作る車体とは違う場所に要継ぎ目箇所があった。先にそっちに瞬間接着剤を盛ったものだから、うっかりそこに薬指を置いてしまって「あっ」。しかも2両作業をしていて2回とも「あっ」(苦笑) 何て学習能力のない……というか、普段の作業で体が覚えてしまっている……そこなら大丈夫、と。幸い被害は拡大しなかったのが不幸中の幸い。
  丸ノ内線シリーズの、金属製キットの組み立ても開始した。元キットが、パーツ選択式で3通り(改造を含めると4通り)に作り分けることができる仕様になっており、必ず余るパーツが出てくる。その余りパーツを利用してもう一両作ろう、という主旨のコンバージョンキットが発売された。そのキットを作り始めた。金属という素材は、普段私はあまり扱わない。過去に……「夜行鈍行」でも公開中の自由形電気機関車で何両か、そしてエアロベースの飛行機模型で何度か。Nゲージのスケールモデルでは、パーツとして使ったことがあるのみで、車体の大部分を占めるような大掛かりなものは初。いつか挑戦しようと思いつつもなかなか踏ん切りがつかず、今回の丸ノ内線シリーズ完結へ向けてのスタートがようやく重い腰を上げさせた。こうしたエッチング製のキットにもいろいろあるが、この丸ノ内線のキットは一枚板から両側面を起こす構造。一枚のエッチング板に両側の側面部分が表現されており、天板部分を介して繋がっている。それを折り曲げて「コ」の字型にするのだ。そこに元のキットの余った前面と屋根を接着して基本構造が完成となる。エッチング板は2枚入っていて、一枚が今言った基本となる部分。もう一枚、側面のドアや窓サッシを表現し、そして強度を持たせるための"内張り"が入っている。折り曲げる前に内張りを貼る。ハンダ付けが確実なのだろうけど、持ってないので瞬間接着剤で組み立てる。本当はこれをチャンスと思ってハンダ付けの練習をすべきだったんだけど……キット完成を優先するために今回は断念。細かい作業をしなくていいので、練習の素材としては絶好なんだけどね。内張りと外張りを、一旦クリップで留める。瞬間接着剤を流し込むときにずれないようにするためだ。クリップが手元になかったので、洗濯バサミで代用。きちんと代用できるのか不安だったけど、意外にしっかりと固定できた。しかるのちに、折り曲げてコの字型にする……パリッ、という音と共に内張りが剥がれた(泣きたい気分)。どうも固定の際に、板が若干だが反ってしまっていた模様。折り曲げ字に反りが戻ろうとして、それで内張りと外張りが引っ張られて剥がれた模様。これを防ぐためには、先に外張りを軽く曲げる必要がありそうだ。曲げる部分はそのままでは硬いので、筋彫りをしろと指示があった。その筋彫りをすると、自然と10度ぐらい外張りが曲がる。これを利用した。先に筋彫りをして少しだけ曲げておく。そこに内張りを固定すれば反ることが防げた。そんな作業を4両分。たった4両だけど"初の"金属キットで緊張したりもして時間がかかった。が、初めての体験というのはなかなか楽しかったりもするのだ。
  筋彫りをするのに使う「Pカッター」なるものを道具箱のなかから探していると、エッチングバサミを発見。平たく言うと金属用のハサミだ。普通のハサミで金属を切ろうとすると、硬くて歯が立たない。ところがエッチングバサミの場合、薄めの金属板ならざっくり切れる。随分前に買ったものだが、あまり使う機会も多くないのでほったらかしにしていたものだ。同じく少し前に買ってほったらかしていたものがある。0.3mmの真鍮板で、何のために買ったかというと、とある車両のウェイトとして積むためだ。ところが、0.3mmという薄さでありながら普通の手段では切断することができず、目的を達成できないまま放置されていた。そしてエッチングバサミが出てきたのでふとこう思った。「エッチングバサミなら、0.3mmの真鍮板を切断できるのでは?」 結果――正解。軽く力を入れてやると、ザックリ切断。他のものでは歯が立たなかった真鍮板をあっさりと。恐るべしエッチングバサミ。エッチングキットから部品を切り出すのが使用目的だからか歯の長さが短いハサミなのだが、この切れ味を見ると長いと危険にも思える。安全のために短めにしているのかもしれない。


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