橘雪翼の、侃侃諤諤喧喧囂囂

平成18年3月下旬分

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平成18年3月31日

  積み木が
  ――また
増えました。10両です。FFXIIが終わらない限り減る見通しもないし。


平成18年3月30日

注:激長です

定まりし"運命"

  「アカシアレコード」というものをご存知だろうか。この世で起きる全ての事柄が記されているという、まあSF世界の話だが。こちらもSF用語で、「ジョンバール分岐点」というのがあるらしい。漫画の方のQ.E.D.で出てきたのだが、歴史的に重要な場面に干渉して別の歴史が生み出される、だったかな?
  ――ああ
今日もFFXIIの話じゃないですよ。
  諺に正反対の意味を持つ二つのものがあるように、考えようによってはこの2つのSF用語は相反するものである。前者「アカシアレコード(アカシックレコードともいうんだっけな)」には、全ての出来事が記されている――未来を含めて。「ジョンバール分岐点」の考えによると、ある場面で誰かが歴史に干渉することで未来が変わる。アカシアレコードを優先するならば、ジョンバール分岐点で歴史に干渉したといっても、"歴史への干渉そのものが"アカシアレコードには記されており、分岐点とは名ばかりで実は一方方向にしか歴史は進まないことになる。未来を変えようと思い立っても、"そのこと自体がアカシアレコードには書かれており"、"変えられた未来"は実は予定通りの出来事なのである。
  とまあ、あまりSF方向に走るつもりはないのでそろそろ本題に入ろう。ちなみに、FFXIIにおいて"シド"がこういう発言をしている。「歴史を人間の手に取り戻す」 ――実は結構なネタバレになるのでこの先は念のためもう言えないのだが(笑) ちょうどこれから話をすることを考えていたので、この言葉にも琴線に触れるものがあったというわけでご紹介までに。
  ではいよいよ本題に入る。今日私が話をしたいのは「未来は決まっているのか否か」。アカシアレコードが存在し、全てはそれに抗うことができないのか。あるいはジョンバール分岐点で歴史の進む方向を選択することができるのか。SF用語を使ったが、(少なくとも私の中では)科学的な話をしようと思っている。
  この世で全てのものが抗えないものが存在する。存在するといっても、人間がそれに名前を付けて考えを形にしたものなのだが。話が横道にそれまくるが、"呪(しゅ)"というやつだ。この世の絶対、それは神でも仏でもなく、物理法則である。全てものものは物理法則から外れたことはできない。単純なところを見ていけば、生身の人間が時速160キロで走ることができなければ100メートルジャンプすることも不可能。質量やエネルギーには保存法則が見付かっている。この世の全てのものは物理法則に従って運動し、存在し、時に消滅したりする。そういうものがあったのかどうか忘れたが、もし現在物理法則で説明できないことがあったとしても――それは現在の人間の叡智が物理法則の全てを網羅していないだけである。
  人間は、物理法則に抗うことができない。人間だけじゃなく他の生物も、物体もそうなのであるが、敢えてここで人間に絞る。人はこう思うだろう。「物理法則に抗うことはできない。でも歴史の流れに抵抗することはできる」 まあ普通はそうだろう。人間は"自分の意思"で動くことができる。明日の朝ご飯をパンにするか白米にするか、それは本人の意思で決定するもので、運命とかアカシアレコードが決めるものではない。では、人間の"意思"とはなんだろうか?
  人間の活動エネルギーはご存知の通り、ATPである。私はそこまでしか覚えていないのだが、摂取した食品を消化し、グリコーゲン?の形にして、それが分解される時に出るATPのみを活動エネルギーとすることができる――だっけな? ええとつまり、何が言いたいのかというと、人間の活動の源は物理法則に従って生成されている、ということだ。間違っても魔法で動いているわけでもガッツで動いているわけでもない。ただ、取り出したATPをどう使うか。不随意筋は別とすると、その人が"意思"を持って動く時に使われる。休日に外へ遊びに行くか、家でごろごろしているか。体を動かすのか読書をするのか。町をぶらぶらしていて次の角を左に曲がるのか右に曲がるのか。これは各個々人がその場その場で"判断"して行動を決定している。アカシアレコードなど所詮空想の産物に過ぎず、明日誰が何をするかなどその時になってみないと分からない。
  ――ように思えるが
人間の"意思"というものを突き詰めていこう。人間の"意思"がどこにあるのか。多分脳であろう。「ハート」という言葉があるように心臓かもしれないが、ここでは脳で話をする。意思はハートにあり、と思う人は脳を心臓に置きかえて読んでもらえれば……いいかもしれないし訳が分からなくなるかもしれないので自己責任で(笑) 人間の活動を司っているのは脳であることに疑いの余地はないだろう。これはもう、不随意筋であろうがそうでなかろうが、全て脳にある。不随意筋をコントロールしているのは小脳(だったよね?)で、人間が考える部分が大脳という具合に区分けされているだけだ。さて、では、人間が"意志"を持って活動できる根源、大脳で何が起きているのか考えてみよう。私はあまりこういう方面に詳しくないので物質名は分からないが、脳の中で様々な化学物質が生成されていたはずである。アドレナリンとかドーパミンとか……その他諸々。そういったもので我々の感情がコントロールされたりしているわけである。脳内物質の分泌をコントロールする部分に異変があったりすると、ひとまとめで表現すると精神病とかいうやつにかかるわけである。そして、そういう症状を治療、緩和するための治療法とか薬があったりする。それは脳内物質の分泌をコントロールするものであったはずだ。ここで注目して欲しい。治療ができる、ということはつまり、"化学物質で精神をコントロールできる"ということにある。まあ100%思い通りには操れないけど、それでもある方向性へ持っていったりはできるわけだ。もっと簡単な話をすると、麻薬を打てば人の精神をいとも簡単に破壊することができる。我々が人間という生き物の尊厳として持っているつもりの"理性"とか"意思"とかいうのは、絶妙なバランスで保たれた脳内に流れている化学物質によって支えられているのだ。私のこの考えにおいて、それが我々が自分固有の物として持っている"意思"の正体である。
  長くなってきたが、実はここからがいよいよ核心だったりする。我々が何か行動を選択できる場面に遭遇したとしよう。遭遇というほど大袈裟なものではなく、普段日常で、毎日幾度となく繰り返されていることだ。今あなたが「あー、今日の侃侃諤諤長くて分かり辛いなー、もう読むのやめようか我慢して続けようか」と悩んでいるその選択もそうである。話を単純化するために、選択肢がAとBだったとしよう。あなたは迷った結果Aにすることにした。あなたはこう思う。「Aを選んだのは私の"意思"による決定で、断じて物理法則が選んだものではない」
  ――本当だろうか?
選択肢からAを選んだ。その時、あなたの脳の中では脳内物質が何らかの形で働いていた。AとBの条件を比較する。その際にAとBの条件を脳内にインプットする。話すのを忘れていたが、人間の記憶というのは、脳内の神経の結合状態だったかに依存するものである――であったと思うが良く覚えていない。記憶もまた、脳内の神経や脳内物質によって形成されている。もちろん物理法則にのっとって、だ。AとBの条件を一旦記憶に止めるのは物理法則に従った神経や脳内物質。その後、Aの魅力とBの魅力とを比較していくわけだが、その判断というのはやはり脳内物質の流れで決まるのではないか? Aが魅力的に見えたのは、その時たままた脳内物質の何かが分泌されやすい状態で、それがAをより良く見せただけかもしれない。Bを選ぶべき理由があったがその理由を思い出せなかったというのなら、判断の時にBを選ぶべき理由の神経の結合(記憶)から、それを思い出すために分泌される脳内物質が足りなかったのだろう。
  人間が自分の"意思"で選択するといっても、脳内物質が科学的に反応し、物理法則に従って移動しているだけかもしれない。我々が勝手にそれを「自分で判断した」と思っているだけかもしれない。

  少し話がそれるが、「カオス」という話をしておこう。カオスといってもいい例が思いつかなかったので、花粉を水中に撒いた時のランダム運動である「ブラウン運動」を例に出そう。ブラウン運動は「不規則な運動」である。たくさんある花粉の粒子がそれぞればらばらにあっちこっちまったく予想できない動きをする。
  ――本当だろうか?
確かに花粉の動きは予測できない。但し、人間には、だ。じゃあ誰にできるのだ、と問われても神がいるとしたら神、としか説明しようがないのだが。花粉はランダムに動く――ように見えて、実はあるものに支配されているはずだ。そう、「物理法則」のもと動いているはずだ。ある時動く方向が変わったとしよう。それは、その方向に力が加わったからに他ならない。皆さん物理の授業で習っているはずだが忘れているといけないので書いておくと、「力が加わらなければ物体は等速直線運動を続ける」。等速直線運動をしなかったのなら――急に向きが変わったのなら、それは力が加わったからである。ただ、あまりにも微細なものなので花粉に力を加えたものが何かは分からない。花粉の形状は真円ではないので、水の抵抗で曲がったのだろう。あるいは水の中に不純物があり、それが悪さをしたのかもしれない。花粉の粒子同士の干渉もあるだろう。理由はいろいろあるが、とにかく力が加わり、物理法則に従って花粉はブラウン運動というものをしているのだ。ただ、そこに加わる力の全容が人間には把握できないから「不規則な」と表現されるだけである。

  話を戻そう。我々は"意思"を持って行動している。だがしかし、その"意思"とやらが実は物理法則に縛られた脳内物質の産物であったとしたら? ビルの上からビジネス街を行く早足の人々を見ると、不規則に、まるでブラウン運動をする花粉のように入り乱れて動いているだろう。もちろんブラウン運動よりはナンボか法則めいた動きをしていて、ある方向に流れができていたりするが。一見不規則に見える人間の動きも、その個々に存在するはずの力に目を向ければ、やはり物理法則によって動かされている。急いでいるので前の人を追い抜こうと左右に動く人。急いでいるのはその人の"意思"に見えて、実はある脳内物質が脳のどこかに働きかけてそう思わせているだけかもしれない。急いでいる理由が時間に遅れて、だとすれば、それを認識している部分が脳のどこかにあり、遅れているという事実を認識させているのはやはり脳内物質の……配列かパターンか記憶等の複号情報なのか、その辺りは良く分からないけど、とにかく物理的な要素であるはずだ。遅れた理由が寝坊であったとすれば、朝起きるのに必要な脳内物質が分泌する量が足りなかった。何故足りなかったのかというと、睡眠が不足しており、体のリズムが悪かった。起きようと思ったけど二度寝してしまったというのなら、起きようと思った"意思"もやはり脳内物質の反応の産物であり、実際に体を起こすには脳内物質の何かが不足していたのだろう(そして我々は緊張感が足りなかったとかいう言葉で表現する)。睡眠不足の理由は、昨晩遅くまでFFXIIをやっていたからだったとすると、脳内物質がFFXIIをより面白く感じさせ、明日は用事があるから早く寝ようという"意思"を生んだ脳内物質の作用よりも勝っていたのだろう。あるいは寝坊の原因は目覚し時計のセットを忘れただけかもしれない。昨晩、目覚まし時計をセットするのを忘れた理由は? それもまた、「明日朝が早いから目覚し時計をセットしなきゃね」という"意思"を実行に移すための脳内物質の分泌が足りなかったのだ。夜中に寝相が悪くて目覚し時計を叩いてしまい、アラームの設定が解除されたというのなら、夜中に寝返りを打たせる何かが脳の中で働いたのだ。
  キリがないのでこの辺にしようか。

  気が遠くなるほどの太古の昔に、ビッグバンが起きて宇宙が生まれた。と、ここではその仮説を採用する。その時に現在ある全てを構成する粒子が存在し、それに運動エネルギーが与えられた。そのそれぞれの粒子がお互いに干渉しあい、その結果偶然にも星が生まれ、あるものは太陽系を生成し、地球という星の形になった。その地球の星の中で、また粒子が相互に関係しあいながら生物を生み、人間が誕生した。人間を構成する粒子は脳の内部に働きかけ、言葉を使い、道具を創らせた。人間を構成する粒子は、粒子の動きを上手く使い"知能"を発達させた。そして人間は他の生物を圧倒し、事実上地上を制圧した。
  これらは、宇宙が発生した時、その時に与えられた各粒子へのエネルギーによって決まっていたのはないだろうか? 偶然だと思っているものは、実は粒子一つ一つの運動を計算していけばなるべくして起きた出来事かもしれない。ある粒子が別の粒子に干渉し、別の運動が起きてまたそれが別の粒子に干渉する。それの途方もない回数の繰り返しの結果が現在のこの世の状態にすぎないのかもしれない。我々が考えたりすることや嗜好というものは実は、粒子の運動の結果に過ぎないのかもしれない。我々が考えたり思ったりすることは、粒子の動きによって仕組まれてた出来事に過ぎないのかもしれないのだ。

  これから起きることは、実はもう既に決まっているのかもしれない。核戦争が起きて人類が滅亡するのか。地球外生命体によって地球が破壊されるかもしれなければ隕石が降るのかもしれない。あるいはハッピーエンドが待ち受けているのか。人間が何かを考えて変えた明日というのは、実は脳の中で粒子がそういう風に運動して人を構成する粒子にそういう活動をさせただけかもしれない、ということである。全てはビッグバンの時からの必然である。

  この考えに行き着いたきっかけは、途中で出てきた「カオス」にある。一見至極ランダム規則性がないものでも、微細に見ていけばそこには物理法則に従った力が働いているのではないか、と考えたのが最初。突き詰めていけば、人間の体を構成しているのは原子(今研究が進んでて素粒子って言った方がいいのか?)である。そういう意味では人間はそこらに転がっている石ころと違いはない。その原子の集合の仕方が大きく違うだけである。そして、人間を構成している原子もまた物理法則に従い、化学反応を起こしたり、脳の中で化学物質があれこれ作用している結果に過ぎない。人間が思考と呼んでいる物も、たまたまある量の化学物質が脳のある部分に作用して生まれているだけかもしれない。そんな風に思っていたときに、私の意見と似たようなことを言った人がいる。それは小説の登場人物である。小説「Q.E.D.」の主人公(?)桑原崇がこんなことをいうシーンがあった。
「所詮人間の感情も(―脳内物質の名称忘れました―)によって支配されているだけに過ぎないからね」
どういう流れでこの発言をしていたのか忘れてしまったのだけれど、そんな風なことを言っていた。私は、自分でこの考えが突拍子もないことだと感じたのだが、でも小説の人物とはいえ(笑)賛同してくれる人が現れたようで嬉しかったのだ。


平成18年3月29日

  今日は久々にFFXII以外の話題

もう1つのQ.E.D.

  Q.E.D.というのは数学用語で「証明終了」の意味だ。ラテン語で確か「Quod Erat Demonstrandum」と書く。
  さて、私がQ.E.D.といったら、もちろん証明終了の意味もあるのだが、漫画の「Q.E.D.」のことを指すことが多かった。しかしながら、一ヶ月程前に"もう1つの"Q.E.D."にもハマってしまった。
  きっかけというか、予兆があったのだが、気付いていた人がいたらその人はかなりのものだ。多分一ヶ月と少し前ぐらいに、こういう記述があった。「転嫁という言葉には、再婚という意味もあるがこの場合はそうじゃないぞ(by饗庭慎之介」 これ、何かというと、小説である。姉がその日の侃侃諤諤を読んで「また何か新しい漫画にでもはまってるな?」なんて思っていそうだったのだが、姉からのリアクションは何もなかったので少し残念。さて、"饗庭慎之介"とは?――「試験に敗けない密室」を最初に読んだのだが、高田崇史氏のシリーズものである。高田崇史氏というのは、「Q.E.D.」という小説でメフィスト賞とかいう、私はあまりよく知らないが栄誉ある賞を取った人である。一時期本屋で平積みになっていたような気がする。もちろんその時にもやや興味を持ったのだが、私はベストセラーの類が嫌いなので買わなかった(笑) さて、「試験に〜」シリーズに何となく興味を持って買ったら、これがまた面白い。どう面白いのかは別の機会にしよう。ちなみに饗庭慎之介はメインキャラクターであるが主人公ではない。主人公の名前は……名前は
  ――何だっけ?
実は現在のところ明らかにされていない。ヘンな名前らしく、本人が名前の公表に至極消極的である。むしろ積極的に避けている。主要登場人物は主人公のことを「八丁堀」とか「ぴぃくん」とか呼んでいるが、本名は不明。
  ――閑話休題
で、Q.E.D.である。試験に〜シリーズは、文庫本で三冊しか出ておらず、もっとこの人の作品を読みたいな、と思ったら「Q.E.D.」シリーズだったのだ。試験に〜シリーズは軽いノリだったので、きっとQ.E.D.シリーズも同じようなものだろう、と想像していた。このノリの小説でもらえる賞ってあんまり文学的にどうなのか疑問符が付くなぁ、とか思いつつ(笑) ところが読んでビックリ玉手箱。「え、マジ? ホンマかいな!?」というのが、終盤に差し掛かってからずっと私の中にあった思い。何がどう「本当か!?」なのか。
  まず最初に断っておこう。Q.E.D.という言葉は"証明終了"という意味である(この本では「証明終わり」になっているが)。つまり、謎解きがこの本の主題である。それは漫画「Q.E.D.」と一緒だ。一応、小説「Q.E.D.」もまたミステリーである。殺人事件がおき、それを解決する。ただ、誤解を恐れずに話をすると、殺人事件に関してのトリック的な要素はあまり見るべきところはない。あるといえばあるのだが、ないといえばない。多分純粋にミステリーが好きな人は、ミステリーを求めて小説「Q.E.D.」を読んでも満足できないのではないかと思う。では小説「Q.E.D.」の真骨頂は何か。
  主人公桑原祟……じゃなかった、桑原崇は漢方の薬局に勤める薬剤師。ん? 主人公は棚旗奈々の方だろうか? まあここでは置いておくとして――薬剤師といえば理系である。ところがこの桑原崇、滅法和歌だとか六歌仙だとか、日本の歴史というか文化に強い。その彼が歴史の謎に迫る、これが小説「Q.E.D.」の面白いところなのだ。
  ――ちょっと待て
「何故ミステリーと歴史の謎が関係するのだ?」と思われるだろう。私も最初の「百人一首の呪(しゅ)」を読んでいて、途中から面食らっていた。桑原祟は、探偵ではない。そして殺人事件の真相にも興味がない。では何故事件に関わるのかというと、そこに歴史の謎が埋もれているから。小説「Q.E.D.」で起きる殺人事件の背景には、歴史の謎が隠されている。桑原崇は単に、その歴史の謎に興味を持ってそれを解き明かし、その結果というか、ついでで事件の真相を導き出してしまうのである。別に事件自体に大きなトリックがあるわけでもない。全員にアリバイがあったけど、それは証言している人のうちに一種の記憶障害だっただけという、普通のミステリーなら許されないような要素が入っている。「犯人はどうしてこの安全な逃走経路を使わなかったのか?」という謎があったが、単純に「そこにキク科の植物があり、犯人はそれの酷いアレルギーを持っていた」というものだったり。まあそんなわけで、ミステリーとして読むと面白くない。これが面白いのは、我々がおそらく日常生活や中学高校で触れてきた伝承とか古典の、真実、とでもいうべき裏の面を見せてくれるところなのだ。
  例えば第一作「百人一首の呪(しゅ)」――くどいようだが、"呪"は"しゅ"と読む。"呪"が何かは、実際読んでもらうか、あるいは夢枕獏氏の「陰陽師」でもいいだろう――百人一首が、実は「曼荼羅になっている」という話になる。
  ――ホンマかいな!?
百人一首といえば日本人なら誰でも知っているだろう。古来我々が正月にやっていた格調高きカルタ取りである。中学の時に全部覚えさせられて嫌になったアレである。俺は全部どころか2〜3個しか覚えなかったけど。桑原祟の曰く「百人一首に入っている歌は駄作が多い」
  ――え?
我々は、百人一首の歌と言えば名作なんだと疑ってないだろう。それをあっさり一刀両断。しかも選ばれた歌人にも謎が多いという。
  ――なんぢゃそりゃ!?
選者である藤原定家もそれを承知のはずで、何故それらの歌人のその歌を選んだのか。この謎に桑原崇は挑むのである。そして導き出された結論は、歌と歌の繋がりを見ながら並べていくと曼荼羅が出来上がる、というものなのだ。本当にそうなのか、作者の創作話ではないのだろうか、と疑ってしまうのだが、きちんと折込で百人一首の曼荼羅が付いている。まあ私も厳密にはチェックしてませんが(笑)
  そんな調子で、次は七福神と六歌仙の関連性だったり(マヂかよ)東照宮の怪奇だったり。
  話はずれるが、一部関係者に話をした「この夏日光東照宮に行ってみたい」というのは、この「Q.E.D.」が発端である。JR東日本と東武の相互乗り入れの列車に乗りたいわけでも、実際に「いろは坂」を見てみたいわけでもない(笑) 後者はちょっとついでなので通ってみたいが……
  私が最初「試験に〜」を買った理由は、電車の中で読む暇つぶしの本が欲しい、というものであった。試験に〜シリーズはその役割を果たしてくれた。では「Q.E.D.」は? 答えは「まるでだめだった」 その理由は、読み出すとあまりにも深みにはまってしまう。電車の中で読んでいると、目的駅に到着すると途中でも本を閉じてしまわなくてはいけない。家に帰って「続きはどうなんだろう?」と読み始めると、これが止まらなくなってしまった。ある日など、夜読んでいたら、話の佳境に差し掛かってしまった。その時すでに時計の針は1時を回っていたが、「ええい、明日早起きする予定もないし、もう少し読んでから寝よう」と続行することにした。
  ――2時
まだ謎は解けない。でもここまで来たら最後まで読みたい。否。読まずに寝られるわけがない!
  ――3時
全体のようやく3/4ぐらいまで来た。もうこうなりゃ後は勢いである(笑) 結局4時までかかって読み終わった。全部で550ページ以上の長編のほとんどを、一晩で一気に読んでしまった。こんなことは、前になかったわけではないがかなり久々である。その日(日付変わってるからね)、文庫版が出ている残りの3冊を買ってきて、結局ほとんどを家で読んでしまった。試験に〜シリーズを含めると、ほんのひと月足らずの間に8冊の本を読破してしまった。高田崇史恐るべし。
  と書いたのが実は昨日。今日本屋にぶらっと立ち寄ると、新しく一冊文庫本で出ているではないか! まあ、とりあえずFFXIIのクリアが先決なのだが(笑)


平成18年3月28日

たまにはFFXII以外の話題でも……

  と思ってネタは用意してあったのだが、いかんせんFFXIIに夢中すぎてネタを文章化する時間がない(笑) だから表題とは違って、今日もFFXII談義(してる暇があったらネタを文章化してみてはどうだ?)
  サブイベントの話。都市と都市を結ぶ航路がある。航路といっても飛ぶのは飛行機ではなくもちろん"飛空挺"。そこの案内係のお姉さんの設定がすごい。7人姉妹で全員同じところに勤めているという(笑) ちょうど航路が7つあって、各航路1人ずつ働いているのだ。その7人姉妹に、強引に結婚を迫っているア○な金持ちの7人兄弟がいる(笑) そして長男が長女を口説こうとしているその場に居合わせた主人公にこう言うのだ。「そうだ、そこの君。君が7航路回って姉妹全員に伝言を頼めたら、僕らは求婚を諦めることにしよう」 このイベントが発生した時点では、まだ7航路全てを回ることができない。とはいっても、全部回れるようになったら7つぐらい余裕で全部乗れる。
  ――ただし、忘れていなかったら
都市と都市の間の移動は他にも便利な手段があるし、何せストーリーが進んできたら「そこは使わないだろ」というような組み合わせもある。故に、このサブイベントは、プレーヤーが覚えているかいないか、それが決め手。ちなみに料金はタダではなく、きっちり取られる。のだが微々たるもの。序盤はともかく、今大量にお金稼ぎまくったからねぇ(レベル上げのついで)。
  というわけで、使える路線は片っ端から……とやってたら、一気に残っていた5航路全部回れてしまった(笑) イベントの結末を見てみたかった、生理的にこいつら(男の方)がムカついた、あとクリアすれば何かもらえるだろう(笑)……という理由でやや邪魔臭いながらも全てを回った。確か6人目に伝言した時に、横にいた第6男がこう言っていた。「げげ、あと1人!? 兄さんたちの言ってたことと随分違うじゃないか。でも、そろそろじゃまくさくなってきたんだろ?」
  ――ご明察(笑)
さっき○ホとか貶したけど、割と分かってるじゃないか。邪魔臭いよ! 必要のない飛空挺に乗ってあっち行ったりこっち行ったり。乗ってない航路がどれなのか確認しながら進まないといけないし。でも俺ぁやる時はやるんだからな!
  ――そして
予定通り?アイテムが貰えた。割と悪くない装備品。だが1つ忘れていた
  ――FFXIIはライセンスがないと装備できない
まあライセンスポイントも余剰気味になってきたから、片っ端から探っていけば見付かると思うけどね。


平成18年3月27日

疲れたー

  今日は主にひたすらレベル上げ。疲れましたー(笑) 同じところをグルグルグルグル。厳密に言えば、セーブポイントの間を往復する毎日。お陰でレベル38〜39だったのがレベル44〜45まで上昇。さあそろそろボス倒しに行こうか。
  ――と思ったのだが
先日、苦労して倒したけど意味がなかった例のボスとの再戦というのも面白いかもしれない。
  ――倒せなかったらどうしよう
その先進めなかった理由の1つとして、敵が強すぎたことが原因にあるのだが、レベルがここまで上がってくれば問題なし。雑魚敵のレベルが45〜47ぐらいだったと思うので、充分前に進める。
  ――んー
そういえば、かなり前に後ろから全体魔法攻撃でズドンとやられた精霊様ことサラマンダーも倒せそうだから、そっちをやっつけに行くのも面白そうだな。
  ということで、ストーリーが先に進まない可能性大(笑) いやぁ、こんなにクリアまで時間がかかるFFも久々だ。普段ならそろそろエンディングも近かったはずなのに、今回はまだ先がちょっと見えない。多分中盤〜終盤にさしかかっているとは思うのだけれど。


平成18年3月26日

そこそこレベル上げしたはずなのに……

  ボスが強い。やっぱりアレか、お金ケチって強い武器と強い防具を装備させていないからか?
  ――あ、
分かってると思いますが、FinalFantasyXIIのお話です。
  今度は敵国アルケィディスの首都、アルケィディアに乗り込もう、ということになった。
  ――歩いて
何でなんだよ! FFといえば空駆ける艦、飛空艇じゃないのかよ!
  ――敵に見付かるから
だそうです。ちなみに良く考えると、そもそもの主人公一行の飛空艇は故障中だったような。ま、簡単に事が運ぶと面白くないので、歩いて行く。厳密には走ってるけど。
  ――でだ
地下遺跡でボスと連戦。厳密には間に雑魚敵の出てくるフィールドが何枚か挟まっていたのだが。でもそこにセーブポイントはなかった。セーブなしでボスと2度戦う。これは結構手に汗握るものがある。何てったって全滅してゲームオーバーになったらボス2体分の苦労がパァ。しかし今回はボス戦が全体的に厳しいよな……。まあ何とか2体撃破して、敵の本拠地へ乗り込んだ。乗り込んだ後で、さらに奥深くへ突っ込んだのだが、力負けしてゲームオーバー(敵地に乗り込んだあとは何度かセーブした)。んー、やっぱりまたレベル上げせなあかんのかなぁ(っていうか金ケチらんと強い武器防具買え!)。
  ところで、FFのマスコットキャラクターといえばチョコボという黄色い鳥。黄色い鳥といっても某リラックスしすぎのクマちゃんのあれではありませぬ。厳密にはありゃ"キイロイトリ"だったような気がするが。で、私の評価では当然チョコボというのはかなり可愛いキャラクターということになっている。とある知り合いが「モーグリ」というもう1つのマスコットキャラクター好きなのだが、そっちはあまり興味がなかった。
  ――のだが
FFXIIのモーグリ、相当可愛い。厳密に言えば、ゲームボーイアドバンスで出たFinalFantasyTacticsAdvanceあたりから可愛いと思っていたのだが、ポリゴンで立体で動くモーグリにかなりメロメロ。主人公の生まれ育った王都ラバナスでは、"モグシー"というモーグリがやっているサービスがあり、王都の主要地を一瞬にしてテレポートで送ってくれる。その時のモーグリのしぐさが
  ――かなり可愛い
もう1種類可愛いのがいる。一応モンスター扱いなのだが、フィールドを歩いていると(森とか平原に出てくるのだが)、白い毛のふわふわした動物がちょこちょこ駆け回っている。一応ここの世界の「うさぎ」らしい。現実世界のうさぎとはかなり違って、二足歩行していて頭は小さく、お腹と耳?が白い毛で覆われている。ガンビットの「敵」に反応しないし、向こうから攻撃を仕掛けてくることもない。だから近づいてきてもアングルをかえてアップにしてじっくり観察することができた。
  ――しぐさが可愛い
ストーリーの展開上……いや、わき道の方でなのだが、こいつを倒さにゃならんところが2箇所ほどあって、可哀想だが断腸の思いで刃を向けてしまった。許してくれ、ギーザラビットとポールなんたらラビットよ。


平成18年3月25日

苦労して倒したが……

  引き続きFFXII談話。ボスが強い。何故か非常に苦戦する。何か見落としているのか? ともかく、先に進めないのでゲームオーバーのたびに再戦。っていうか、親分が子分を召喚しまくるのが非常にうっとおしい。子分にちょろちょろされるとうっとおしいので子分を全滅させてから親分へ攻撃するのだが、そのちょろちょろ子分たちを増やされるのが何とも腹が立つ。せっかく全滅させてさあ集中攻撃だ、っとなって、あと少し!と追い詰めたら子分を召喚されてわらわらわら。おまけにその時親分は体力を全回復しやがる。手のつけようがない。とりあえず粘れるだけ粘ってみよう、ということで三度目の正直。2〜3回体力全回復→子分大量召喚をやられた後、何とか最後まで追い詰めることができた。
  ――やったー、先進めるぞー
と思ったのも束の間。その先行ける場所でちょっとしたムービーシーンになって「この先はあまりにも危険です。引き返しましょう」と王女を守る騎士が言う。
  ――あれれ?
もう一箇所の方が目的地だったのかな、と気を取り直して移動するも、その先にはレベルが15程度高い敵がわんさか。冗談じゃないけど、レベルが15も離れた敵なんてまだボスの方がマシというものである。大人しく引き返して気が付く。もっと手前に岐路があったじゃないか。そっちはわき道だと思っていたのに、実は目的地だったのかよ!
  というわけで、敢えてボスを倒す直前のデーターをロードしてやり直し。低レベルでボスを倒したのは、それはそれでプレーヤーとして名誉なことだけれど、ちゃんとストーリーに沿って進めてレベルを上げた後だとどの程度楽になるかな?というのも見てみたい。一応ボスを倒したデーターも残しつつ、ボスと再戦するために未対戦のデーターで話を先に進めていこう。
  ――しかし
ストーリー通りの方へ進んでも、敵がやや強い。しばらくレベル上げでもせにゃぁならんかな。


平成18年3月24日

流石皇帝陛下第四男のお坊ちゃん

  引き続きFFXIIの話題です(笑)
  FFXIIのストーリーを簡単に要約すると……帝国に支配されたダルマスカ王国。死んだことにされていたダルマスカの王女が、ダルマスカの復活と帝国への復讐のために力を求めて旅をする物語――
注1:主人公ヴァン君は、元ダルマスカ王国の一市民です
注2:考えてみれば王女のためにみんな振り回されているんだよなぁ……
注3:昨日、ヴィエラはみんな美人だけど性格がツンツンしてるって書いたけど(やや表現が違ったかもしれんが)、王女も同じぐらい性格が尖っているというか、恋人を殺されたせいで性格が捻ねてしまった???

  まあ、このあとどうストーリーが展開するのか分からないが、多分最後はダルマスカ復活でハッピーエンドなのだろう。あと、帝国アルケィディアとの友好という形になりそうなそうじゃないような。で、題名のアルケィディア帝国皇帝第四男、ラーサー君。敵国の人間ながら天晴れで、というかまだ子ども。話はずれるが、件のFFXII先取り本みたいなのでラーサー君の年齢が載ってないかチェックしてみた。メインキャラクターは皆載っていたのだが(例外:ヴィエラ族のフランさんの年齢は"不詳"になっておりました(笑))、ラーサー君はその中に入っておらず不明。多分推定年食ってても12歳ぐらい。もしあれで16歳とかいってたら身長低すぎ(笑) まあ言ってしまえば子どもなのだが、それでも言動は妙にませている。でも性格が真っ直ぐで、戦争を避けたいがためにあれこれ動き回る姿は何とも可愛らしい。
  ――でだ
ラーサー君は主人公と2度行動を共にする(現時点で判明している範囲で)。敵国の人間なんだが、まあ彼は悪い子じゃないので。一度は身分隠してたしね。というわけで、"ゲストキャラクター"として戦闘にも参加する。プレイヤーはラーサー君の行動を一切操れず、勝手に動いてくれる。まあ、最初は子どもだと思って馬鹿にしてて、倒れても足手まといだからほっとくぞー、ぐらいに思っていた。
  ――ところが
強い。何がどうなって推定10歳強の子どもがこんなに強いのか。こんなに強いガキんちょはサイヤ人の血を引いているかパタリロ並の生命力を有しているかのどっちかとしか思えない(笑) まあ冷静に分析して……レベルが高い。最初メニュー画面を開くまでは、せいぜい5とか6とかだと思っていた(主人公一行が確か16〜17の時)。メニュー画面で確認してびっくり、主人公一行より3〜4ほどレベルが高い! そりゃ、強いわな。それから忘れていたが、彼は皇帝の子どもである。お金には困らないはずだ。だから強い武器と防具を装備しているんだろう! よって戦力はまるまる1人分以上増えた感じ。任意に動かせないのが難点だが、それでもオートでズバズバ敵を切り刻んでいく様は推定10歳強の子どもの所業とは思えない。
  ――だがしかし、困ったことが起きた。
自分もしくは仲間のHP(ヒットポイント、生命力のこと。0になると戦闘不能になる)が減ると勝手に"ハイポーション"というアイテムを使う。数値にして400、当時の最大HPの半分ほどを回復してくれるゲーム中盤では心強いアイテムだ。だが高価でただでさえお金の少ないこのゲームではあまり常用できないのも事実。ボス戦でここぞという時に使いたいアイテムだ。それを、だ。ラーサー君は惜しげもなくポイポイ味方に投げる。「ちょっと待てよ、今ケアルで回復しようと思っていたのに!」(注:ケアル;回復魔法。魔力を消費するが魔力は回復できる。故にローコストな回復方法……FFでは超がつく基本魔法)
  ――っていうか
勝手に手持ちのハイポーション使いまくるな! ああ、このガキんちょのせいでハイポーションのストックがどんどん減っていく……と、一応メニュー画面で確認してみた。ハイポーションの残量は……4。減ってない。どうやらラーサー君は主人公一行の持ってたやつじゃなく、自分の手持ちのハイポーションを使っていたようだ。
  ――な〜んだ。
なら許す。ガンガン使え。というか貴様、一体いくつハイポーション持ってるんだ?
  ――答え:無限大
おそらく、ゲームの中での話なので、ラーサー君はいくらでもハイポーションを使うことができるのでしょう。流石皇帝第四男のおぼっちゃま。ハイポーションなんていう高価なものを大量に所持されて、なおかつそれを惜しげもなく使ってくれるとは。さらに本来的かもしれない味方にも分け隔てなく使ってくれる性格の良さ。
  ――さらに
2度目に仲間になったときに発覚。その時レベルが27ほどだったのだが、最大HPは1200〜1300ほどになっていた。HPが100ぐらいまで減った時にラーサー君が回復用に投げてくれたのは……エクスポーション! ハイポーションの4倍の効果を持つ超使えるアイテムだ。しかも主人公一行はまだ1つも手にしていない段階でポンポン投げてくれる! 皇帝のお坊ちゃまサマサマである。
  ゲストキャラクターなのでしばらくしたら離脱してしまう。ということが分かっていたので、この段階で賞金首を狩りに行く(笑) 単純に1人増えるだけで攻撃力がアップして心強い。ついでに仲間が瀕死になるとハイポーションやエクスポーションをどんどん使ってくれる。
  ――実に心強い!
ありがとうラーサー君。唯一帝国の上層部の人間の中では友だちになれそうだ。
  ――というか
ストーリーを先読みすると、最終的に帝国の新たな皇帝になるのはこのラーサー君。好戦的で野心家の兄ヴェインを倒し、周りの国々と友好を結ぶ良き皇帝になってくれ。
  ちなみに昨日話したデリカシーのない主人公ヴァン君に「失礼ですよ」とチクリ言ったのはこのラーサー君。


平成18年3月23日

デリカシーなさすぎ

  FinalFantasyXIIの主人公、ヴァン君。かなりデリカシーがない。知り合って間もない"仲間"に対して馴れ馴れしく「お前」呼ばわりして嫌がられる。まあ当然だ(笑) FFXIIの世界には、人間以外の種族がいて、その1つに長い耳を持つ"ヴィエラ"という一族がいる。長い耳というのはちょうどうさぎのようで、その耳で"森の声"を聞くことができるらしい。全員女性で、こういうとバニーガールを連想しそうだが、かな〜りツンツンした性格なので似て非なるものである(笑) ゲーム中では明らかにされていないが人間よりはるかに長寿命のようで、仲間の1人がヴィエラ族で、そのヴィエラ族のフランが故郷を捨てた過去が明らかになると……ヴァン君「あのさ、ちょっと聞いてもいい?」
  ――おや、何だろう?
「さっき、50年前って言ってたよな」
  ――いや、それはひょっとして聞いちゃいけないことなんじゃないの?(笑)
「フランって……何歳?」
  ――あーあ
女性に対してそれはダメだろ(笑) 聞かれた本人は当然無視。他の仲間にも「それを聞いちゃダメだよ」「失礼ですよ」とボロクソに言われた挙句、足早にさっさと先に行かれる始末。主人公らしからぬ扱いだ(笑)

  今回のFF、かなり反則的なテクニックが使えて面白い。前にも説明してるが誰も覚えていないと思うので書いておくと、今回のFFでは武器や防具の装備、魔法の使用のためには対応する「ライセンス」と呼ばれるものを取得しないといけない。ライセンスの取得は、メニュー画面から開いて取得したポイントの範囲内で行うことができる。さて、反則的なテクニックとは? 主にボス戦で使っているのだが、戦っている途中、武器があまりそのボスに対し有効でなかったとする。今回は移動シーンと戦闘シーンに区別のないリアルタイムバトルなので、戦闘中にもメニュー画面が開けるのだ。そこで武器を装備し直して戦う、という戦法が取れるのだ。メニュー画面を開いている最中は戦闘が一時停止になるので、好きなだけ迷える。途中でトイレ行きたくなったらメニュー画面を開くという手もある。で、別の強い武器を装備しようと思ったらライセンスがなかった、というときでも問題なし。メニュー画面開いているんだから、ライセンス取得画面へ移動すればいい。戦闘中でも問題なく取得できるのだ。まあ、普段のFFでも戦闘中、武器と盾ぐらいは装備変更が可能だったので、ライセンスと言うややこしいものが一枚噛んでいる分FFXIIは不便になった、とも考えられるが。ただ、戦闘中それまで使えなかった魔法を同様にして使えるようにしたり(あらかじめ魔法を買っておかないといけないのだが)と言った部分はFFXIIならではのもの。途中で必要になったものはその都度追加すればいい、というフォローが利きやすい。先日書いた"ガンビット"についても、戦闘中変更することが可能。今まで「HPが30%未満の味方にケアル」だったものを、敵が強いから早めの回復を……と考えたのなら「HPが50%未満の味方にケアル」と変更するのもアリだ。さらに気付いたことがある。FF伝統の魔法で「プロテス」「シェル」「ヘイスト」というものがある。それぞれ物理防御力、魔法防御力、すばやさを上げる魔法で、シリーズによってめっちゃ使えたりあまり使えなかったりと差異の大きいのも特徴(笑) ヘイストだけは概ね「むっちゃ使える」魔法なのだが。ほとんどのシリーズで、これらの魔法は戦闘中にしか使えず、そして効果はその戦闘に限られていた。ところがFFXIIでは移動シーンと戦闘シーンがシームレス……だから移動中にこういった魔法をあらかじめかけておくことができる。
  ――つ・ま・り
ボス戦が始まる前に、これらの魔法をあらかじめかけてから突入すれば時間の節約になる。今までのFFだったら、戦闘後に始めてこれらの魔法を使うことになる。そうやっているうちにもボスはガンガン攻めてきて、その分の時間がロスだった。そのロスが消せるのは大きい。手強いボス相手ならなおさらである。さらに、戦闘に参加してない控えのメンバーにもあらかじめこれらの魔法をかけておくと……ボス戦中メンバーチェンジした際にも、出てきた仲間はこれらの魔法の恩恵を受けた有利な状態で戦えるのだ。我ながらなんて頭がいいんだろう!
  ――と自画自賛しているが
大抵ボス戦って不意に始まるので準備していない。普段の時に使っていても、そういう時に限って魔法の効果が切れていたりで意味ナシ。敗走して命がらがら1つ手前のマップに戻った後、あらためて挑戦!というときには使えばいい小技であるが、そういう準備がなくても勝ててしまうので使う場面もない。
  ――あ、そうそう
PS2のメモリーをもってしても流石にFFXII世界の全体を読み込むには足りないので、というか1つの区域すら読み込めないから細かく分けられている。境界線を越えるごとに次のマップを読み込んで先に進んでいく分けだが、モンスターは通常、マップを超えては追いかけてこない(これない)。だからボス戦で勝てない、と分かったら境界線を越えて逃げればほぼ確実に逃走可能。これも過去のFFシリーズと大きく違う点だ。雑魚敵からは逃げられるがボス敵からは逃げられない、これがFFの原則だったのだ。で、話を戻して……このテクニックにもっと早く気付いていれば、序盤敗走シーンが何度かあったので使えた場面も多かっただろうに……。現在のところ、もっぱら賞金首を倒す時にしか使えなさそう。ま、それだけでも大きな進歩なのだが。


平成18年3月22日

  読んでいるとやってないのにFFXIIに詳しくなる、ということで不評をかっている最近の"侃侃諤諤"です。

  今日は歯医者へ。今日で終わるかもしれなかったのだが、やっぱり一箇所詰めときましょう、ということで麻酔。場所は、以前に抜いた親不知の1つ手前の歯。親不知に押された格好でやや奥へ向いて生えてしまっているようだ。そしてその奥の面がやや怪しいということで様子見……のはずが治療ということになった。右の下の歯なのだが、どうやら下側というのは麻酔が効きにくいらしい? やたら注射針を入れられて、未だに何だか違和感がある。くそう、これも全て親不知のせいだ!


平成18年3月21日

  アレか!? アレだよな! WBC初代チャンピオンってことは次はWBA王者と統一戦をやるんだよな!
  ――それはボクシングです

  流石にFFXIIやりっぱなしといってもネタが尽きてきた……今回のFFは珍しく「敵を倒しても原則お金が入ってこない」。手に入るのはアイテムだけで、だから敵を倒してアイテムを集めてそれを売ってお金にしないといけない。故にお金に困る。過去FFVIIIもそうだった。主人公はシードという組織に所属していて、定期的にお金が給料と言う形で振り込まれるのだが、敵を倒しても貰えないのが難点。能動的にギル(FF世界のお金の単位)が溜められないというのは非常に辛く、特に武器防具が揃えられないので肝心の戦闘の難易度が高くなる。まあFFVIIIの場合はお金がたくさんあっても強い武器を手に入れることに直結しなかったんだけどねぇ。しかも途中で"錬金術"が可能になったし(アイテムを買って、それをキャラクターの能力で別のアイテムに変換してそれを売ると、お金が増えている)。
  で、FFXIIは非常に困る。武器防具の種類が多いくせに価格は結構高い。全員に武器防具を行き渡らせようとするとかなり戦わなくてはいけない。ということで今日は主に戦っておりました(笑) 途中、面白いものを発見。「ビュエルバ」という都市があって、FF世界らしく空中に浮かんだ島の中にある国である――が、それは今回の話に全く関係ない。そのビュエルバをうろついていると、酒ビン発見。「ラベルに『ビュエルバ魂』と書かれている。拾いますか」だったかな? ちなみにこの手のゲームで落ちているもの=拾っていいもの、である。放置した人間に責があるようで、拾って文句を言われることは百万回に一度ぐらいであろう(たまに拾ってはいけないアイテムがあるという意味)。というわけで、拾ってみる。道行く人に話し掛けることができるのだが、とある場所でこういう反応が返ってきた。「お、それは『ビュエルバ魂』じゃないか! 好きな酒なんだけど品薄でさ。1000ギルで譲ってくれないか?」
  ――んー
この酒、ショップで売ったらいくらになるんだろう。ちなみに、この手のゲームでは大抵の品物は店で売ることができる。在庫過剰で引き取れません、とかいうのは一切なし。どこの場所で売っても値段は一緒。武器屋で防具売っても魔法屋で武器売っても値段は一緒。現実世界だと理解に苦しむが、そこはゲームなんでご理解よろしく。というわけで、一旦断って(人に寄って反応が違う。ケチ、といわれることもあれば貴重品だから仕方がないクポ〜(クポ、というのはFFのマスコット的キャラクターモーグリの口癖)だったり)、店で買い取り値をチェック。
  ――おお!
250ギル。さっきの人はなんて良心的なんだ。店で売る値段の4倍。Yah○○!オークションよりお徳じゃないか!(謎) というわけで、道端に落ちているやつを拾っては売り、拾っては売り。しかし道端に落ちてたりするやつは……未開封なのか? ま、ゲームなのでそんなこと気にしない気にしない。
  ――はたと気付いた。
こんな場所でセコセコ1000ギル稼ぐんだったら、戦闘で敵からアイテム貰った方が効率いい上に経験値も溜められていいんじゃないのか? ということで、やっぱり戦闘ばかりやってました。レベルも上がって武器防具も揃えられそうになって……でもストーリーは全く進んでおりません(笑) ああ、賞金首を2匹仕留めたかな。


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