GMの東急旧3000系タイプキットを、リバイバルカラーで組み立ててみた
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グリーンマックスの東急旧3000系タイプキットを、リバイバルカラーとして組み立ててみた。リバイバルカラー編成は3つあるが、そのうちの「3484+3457+3866」を選択。「3452+3451+3861」にしなかった理由は、先頭の3452が日本車輛製で3枚折妻を持つが、キットには丸妻の川崎車輛製タイプの前面しか入っていなかったから。いずれ折妻もなんとかしたいところだが、今回は楽に行きたかったのでパス。「3472+3375+3471」にしなかった理由は中間車。今回は楽に行きたかったので、切り継ぎ加工が必要となるサハをパスした。何より「3484+3457+3866」の編成は、側面から1両ずつ撮られた写真が後述の本に掲載されていて、気分的に作りやすかったのが大きい。中間のデハ3457も日車製なのだが、中間車という理由で付属の丸妻のパーツそのままで組み立てている。また、クハ3866も妻面が平妻のようであるが、こちらもキットのパーツそのままで作っている。今回のテーマは“手抜き”なのだ。
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三“車”三様
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左から順に、デハ3484、デハ3457、クハ3866。先述の通り、本来折妻のデハ3457も丸妻で作っている。アンチクライマーだけは中間車ではあるもののなんとかしたくて、試作してみたら手応えがあったので取りつけてみた(大きな画像で見ないと分かりにくいかも)。
制作時に参考にした資料は、ネコパブリッシングの『鉄道車両ガイドVol.16 東急目蒲池上線の旧型車』及び『同Vol.22 東急デハ3450』。細かい差異には極力目を瞑って、手軽に作ることを重視した。例えばいささか気になるドア形状やまるで違う付属の床下機器など。もちろん、車体長の違い(キットは18m級で実車は17m級)を加工するなど論外である。半面、屋根上関連は無視しきれなかった。ランボードはデハ3457のパンタ脇を除いて全て作り直し、パンタグラフの台も制作、2両のデハのヘッドライト関連もサードパーティーの部品を使用した。デハ3457のベンチレーターのサイズ違いだけは今回無視することにした。なお、パンタグラフが2両とも違っているが、これは手持ちの部品がなく、さらに市場在庫があまりないのか通販で手に入らなかったために暫定的に取り付けてあるだけである。
車体塗装は、カタログによると代用色のようだが、黄色5号と近鉄ダークブルー(後者は今別の名称になっているが)でぴったりな気がする。屋根はねずみ1号で、パンタグラフ周りの絶縁塗装はダークグレー。デハ3484には絶縁塗装がなかったのか写真では塗り分けが確認できなかったのだが、“何となく”の判断で塗ってみた。色は、他のモデラー諸氏の作例を見ているともっと濃いようであるが、写真によってはそんなにコントラストが強いようには見えなかったのでこの色にしてある。
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デハ3484
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最も素組みに近いデハ3484。ヘッドライトは銀河モデル(100Wタイプ)に交換。ジャンパ線は、おそらく東急Nモデラー定番のトミックスの分売パーツ。他に書くことも特にないので、ミスした話を。車体ナンバーはパンダ工業製のインレタを使用したのだが、何故かこの車両だけ2度もミスしてしまい大ピンチ(1枚のインレタに、1両あたり予備1つを含む3つ収録)。幸い、標準色用の社紋目当てで1枚余分に買ってあったので事なきを得たのだが、もしも緑単色で同じ編成を作るとなると今度は予備がないためミスが許されなくなる。パンダ製のインレタを使うのは今回が初めてで他の製品がどうなのか知らないが、少なくともこの製品は転写しやすいようにベース付きで、そのためナンバーの並べ替えができないのだ。
台車は少し形状が違うが、日車D型……今は「D-16」という製品名になっているようだ。
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デハ3457
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中間車デハ3457。定番の鉄道コレクション用の18m級動力ユニットを組み込んだ。Rが付く前の旧製品が余っていたので、フレームとウェイトを黒く塗って使用。台車間隔が他の2両と違うが、その差は僅かなので手抜きしてそのままになっている(とここに書いたが、もちろん加工するなら他の2両に手を付けることになる)。実車は、乗務員扉などは残っていたがライト類が撤去されていたようで、その様子を再現。テールライトは削り、ヘッドライトはタヴァサ製のパーツを使ってステーだけの状態にしている。屋根上では、残っているパンタグラフ準備台と、その間にあるベンチレーターを制作。ベンチレーターはGMのハーフガーランドでは大きすぎたために、プラ板をそれっぽい形に削り出しただけの簡単なものを作ってみた。言われないとベンチレーターには見えないかも。その他、ドア上の水切りも取り付けた。微妙にカーブした形状だが、これはプラ板を細く切るときに自然に湾曲するのを利用した(力の入れ具合でその度合いが変わる)。アンチクライマーは、プラ板に溝を掘ってその形状の再現を目指した。0.1ミリか0.2ミリぐらいのタガネがあれば好適だったのだろうけど、私が持っているのは1.0ミリと0.3ミリのみ。0.1や0.2のは、値段の高さにビビッて買っていない。今回はデザインナイフの刃先を横向きにすることでタガネ代わりにしてみた。
台車枠は他の鉄コレ動力で余ったものの中から、デハ3484に使ったものと同形状の物をチョイス。
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クハ3866
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張り上げ屋根を持つクハ3866。当然だが、いくら手抜きをするとは言え張り上げ屋根は無視できない(笑) いや、むしろこの加工は楽しい部類に入るかも。そういや最近、やすり掛けを面倒とは思わなくなってきた……3Dプリントのあれはダメだけど。張り上げ屋根の車両はヘッドライトが屋上から腰部に移設されており、その部品もキットに入っている。ライトはもちろん非点灯だが、開口し、ファイバー線加工したレンズパーツを入れてある。この画像だと良く分からないので、先ほどの集合写真参照。“反射板”にはアルミホイルを使っている。屋根上では、ドア上の水切りを忘れてしまった。侃侃諤諤本編で述べた通り、屋根の高さを間違えて修正塗装を施した。そのタイミングが水切り設置のラストチャンスだったのだが、少し悩んで「面倒だ」とここも手抜きとなっている。修正塗装に関しては、「言われなければ分からない」レベルに仕上がった……と思う。
台車はTR50で代用。『車両ガイドVo.16』に「既製品から流用するならこれがベストチョイス」みたいに書かれていたので、ひねくれてTR48にでもしようかと思ったが、考え直して素直になることにした。ただ、手持ちのストック0、市場在庫も発見できず、仕方がないので昔作った旧客の郵便車からもぎ取って来た。
前面窓ガラスをはめ込みにすることが多くなってきたが、今回は手抜きの象徴で“普通貼り”。但し、このキットの前面パーツは肉厚が薄目なので、はめ込まなくてもそんなに気にならない。ならないよね? いつも気になりつつ手抜きするのが運転室仕切り。気になりだしてずいぶん経つので、そろそろ作ってみようかな。
車体ナンバーはパンダ工業製インレタだが、「T.K.K.」のロゴはGM“純正”品。インレタ1枚に6つしか入っておらず、1編成あたり1枚必要かつ失敗すとる2枚目突入なのはいただけない。シートのスペースの都合もあろうが、予備が欲しかった。旧塗装もしくはリバイバルカラーばかりを作る人はそんなに多くないのかもしれないけど……。ちなみに、旧5000系用の小さい「T.K.K.」ロゴは9つ入っていて、去年6両作ったのでインレタを2枚使用している。旧5000系で5両以上の編成を作る人はインレタが2枚必要になるので、これまたちょっと不親切というか何と言うか。インレタって意外と馬鹿にならない値段でね、2枚買うと旧3000系や旧5000系のキットの値段越えちゃうんだよ。パンダ工業のインレタはもっと高かったけど……。
東急の路線はよく分からず、写真を見て適当にデハ3484には「五反田」、クハ3866には「蒲田」の方向板を入れてみた。「五反田」のシールを貼るとき、家の近くの踏切(最寄りから数えて3つめとなる三反田踏切)とか、「1/200える……ちょっとだけ気になります!」とかいうネタを考えてしまった。
(2016.10.23)
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