とて簡「坊ちゃん列車」にひと手間入れる

アルモデル「とても簡単な坊っちゃん客車」の説明書より

  アルモデルの「とて簡」シリーズの最新作、「とても簡単な坊っちゃん客車」。名前の通り四国・松山で走る「坊ちゃん列車」をイメージした車両である。製品名にあるように「とても簡単」に作ることができるのだが……上の画像で示した説明書部分が私には気に食わない。台車枠を取り付けるときに、「車輪を挟みながら」取り付けるのだが、その固定に床板上面に出るツメを捻る。この方法だと一発勝負で、万が一車輪の転がりが悪かったした場合に分解・再組み立てが困難である(分解は捻ったツメを元に戻すだけなので簡単だが、次組み立てるときに間違いなくツメがもげてしまうだろう)。まあ、メーカーとしては誰が作っても、よっぽど不器用でない限りそれなりになるように設計してるんだろうけど……。まあともかく、気に食わないのは私の勝手で、メーカーに愚痴っても話が進まないので一工夫入れることにした。

片側の台車枠をネジ止め式に加工

  自分で台車枠って書いてて、「これって”台車”枠なのかねえ?」と疑問に思ったのだが、説明書を再読すると「台車枠」になっているのでそのまま話を進めよう。策としては簡単で、台車枠をネジ止め式にすればいい。これなら万が一車輪に何かあってもネジを外して分解できる。台車枠を両側そのようにすれば完璧なのだが、私も自他共に認める生来の面倒臭がり屋。片側だけやっておけば最低限の用は成すので片側だけ加工した。余り部品を切り取ってL字型に曲げ、台車枠の中央部にハンダ付け。床板には元から穴が開いているので(おそらく「とて簡」シリーズの貨車と共用なのだろう)、それに合わせてネジ穴を作る。なお、反対側の台車枠は床板にハンダ付けしてある。ただ単にツメを捻るよりも確実に固定できるからだ。

仮組みしてみたところ

  とりあえず仮組みしてみた。 特に調整する部分もなく快適に転がってくれた……のであれば、私の手間が無駄に終わるところだったのだが、問題があって、その修正が出来たので「やって良かった」になった。その問題とは……。
  一番最初の画像の右下にある「軸箱(任意取り付け)」という部品。「任意取り付け」なので取り付けなくてもいいし取り付けてもいい。しかし、取り付けたほうが台車周りに立体感が出て間違いなくカッコいい。というわけで取り付けることにした。私はこういうとき「俺はハンダ付けが出来るんだぜ」アピールするためにわざわざハンダ付けする。するとどうなったかというと、私は自分が思っているほど起用ではないようで、車輪受けが少しハンダで埋まってしまった。「少し」が本当にほんの少しなら問題がなかったのだろうけど、余計に流れたハンダは車輪がはまらなくなるようにするには充分であった。
  埋まった穴はドリルでえぐって事なきを得た。もしもひと手間入れてなければおそらく塗装後組み立てる段階にならないと気付かず、場合によってはちょっと厄介なことになっていた可能性もある。ということで「やっておいて良かった」のである。

余談

  台車枠に付けたL字型パーツには、トレーラー化すると余る妻板部品より切り取ったものを使用。右下の欠けてる部分がそれだ。直角に曲げたいので、何もない真鍮素材よりは直角に曲げることを前提としたスジ彫りが入ったものを使いたかったのである。
  ちょっと隠れて読みにくいが、「鉄道コレクション用などの中空軸車輪は絶縁方式が違うため使えません」とある。先日完成させたレールクラフト阿波座オリジナルキットの「山陽5000系」の台車でも今回と同じようなひと手間を入れていたが、あの時はその加工によってNゲージの車輪なら何でも使えるようになった。が、今回は絶縁体が挟まるわけではないので使える車輪の幅は広がらない。さっきの仮組みに際しても、最終完成時に入れるであろうトミックス製の車輪(片絶縁車輪とか言うんだっけな?)を使っている。

(2012.08.17)

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