フィルム と デジタル の四つ切ワイドプリント対決
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前回の画像で〜や昨日の侃侃諤諤本編で言っていた、フィルムで撮った写真とデジタル画像を同じ四つ切ワイドに伸ばしてみて、はたしてどの程度差があるのか?という検証を行うことにした。本来ならば同じシーンを同じレンズで、もちろん絞り値やシャッター速度などの条件まで揃えて撮影すべきなのだが、とりあえずは”手持ち”のコマで比較してみることにした。
フィルム側は、フジクロームプロビア100Fをα-7(Limited)に装填、レンズは70-200mmF2.8で撮影したもの。撮影データーは残していないので詳細は不明だが、おそらく絞りF4、露光時間1/1000秒であると思われる。もう一枚、同じプロビア100FをOM-3Tiにセットし、180mmF2.8で撮影。こちらも記録してないので不確かだが、同じ絞りF4、露光時間1/1000秒じゃないかと思う。デジタル側はα77に70-200mmF2.8、感度400にセットした上で絞りはF8、露光時間1/60秒で撮影。撮影条件に有利不利を付けるとするならば……フィルムは両者共にマニュアルフォーカスの置きピン故にピントの合い方に疑問が残る。デジタルは感度を400と少し上げてある。一方で絞りはF8まで絞ってあり、オートフォーカスでしっかりと合焦させている。α77のイメージセンサーはAPS-Cサイズであり、フルサイズ対応レンズである70-200mmF2.8の中央部分だけを使っているため、より安定した画質が得られていると考えられるが……冷静に考えるとF8まで絞ってるし、今回は中央付近の見やすい部分だけを比較しているのでほとんど関係ないかな。 いつもの通り前口上が長くなったが、列車の「方向幕」に注目して画質(主にシャープネス)を比較してみる。同じ距離から撮影したプリントから「1500×1000」(単位:ピクセル)でトリミングしたものを、侃侃諤諤用に「660×440」に縮小した。
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まずはオリンパスから
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まずは一番設計が古いオリンパス180mmF2.8で撮影した写真から。私の大好きな在りし日の103系だ。
「高槻」とその下の「TAKATSUKI」の文字が……輪郭がほんのわずかにぼやけているように見える。これがレンズの性能なのか、私の腕前が足りないせいか、あるいは103系の方向幕の文字が元からくっきりしていないのか。 プリント全体を見れば、それなりにはっきりくっきり写ったそこそこの写真だと思う。
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次は70-200mmF2.8、比較的新しいレンズだ
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次にミノルタの末期に製造・販売された70-200mmF2.8で撮った阪神電車。方向幕の字は103系の「高槻」や次の「回送」と比べると小さめ。こちらも「普通」「Local」の文字の輪郭が……よく言えば柔らかい雰囲気になっている。先の180mmF2.8と違ってこちらは新しい設計のレンズ。故に写りの悪さをレンズのせいにはできない。腕前が足りない可能性と、あとは阪神電車の方向幕の可能性と……。
やはりこちらも、プリント全体を見ればそれなりの出来栄えだと思う。
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……さて
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こちらが私に衝撃を与えた一枚。α77で撮影、レンズは先ほどと同じ70-200mmF2.8だ。被写体となる電車もごくごく最近に出来た新しいもので、方向幕の印刷も文句なくくっきりはっきりしたものだろう。写りも先ほどの2枚と比べるとエッジがはっきりと立っている。少々悔しいが、フィルムより確実にワンランクは上のシャープさである。
プリント全体を見ても、スキがなくびしっと描写されている。F8まで絞ったせいもあるのだろうが……。
同じ電車と言えど被写体の傾向がやや異なる部分もある。それを差し引いても……やっぱりフィルムはちょっと不利かな、と思う。フィルムは粒状のものが不規則に並んで写真を構成する一方で、デジタルは正方形(?)の画素が規則正しく並んで画面全体を覆う。プリントするとフィルムのものはやや粒状感が、デジタルはぴったりと敷き詰められている感じがする。 結論として、電車撮るときはもうデジタルでいいかなーって。ピント合わせも、ミノルタ時代はニコンキヤノンの後塵を拝するオートフォーカス性能の前に人間性能で立ち向かっていたが、α77であればカメラに任せちゃっていいかもしれない。その他の写真は、フィルムの方が柔らかさが出るので被写体次第? 「フィルムで頑張れるところまで頑張るぜ!」的な宣言をした手前もあって、もう少し――まだ完全には心が折れてないので、あといくばくかはフィルムで撮影してみようと思う。そして最後にもう一度、三脚立ててF8まで絞って223系か225系の写真を大阪駅で撮って来ようと思う。α-7かα-9のオートフォーカスで、ばっちし止まってる車両にピント合わせて。それでいくらかでもこのα77に撮った写真に迫れるのであれば、「まだまだフィルムはやれる」ということになる。その場合、私のマニュアルフォーカス&置きピンの技術が未熟であることを認めなくてはいけないのだが、それはそれで仕方ないさ。
(2012.06.20)
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