錦川鉄道NT-3000 せせらぎ号

MaxモデルのNT-3000を組み立ててみた

  まず実車説明から。新潟トランシスという車輌メーカーが製造したローカル線用のディーゼルカーで「NDC」と呼ばれるシリーズがあり、錦川鉄道NT-3000もその1つ。多くの鉄道会社で採用されており、各車で細かい形態差はあるものの大まかなところでは似たデザインとなっている。模型はMaxモデルという、九州にある鉄道模型専門店が発売したキット。同時に8種類だったか12種類だったかを製品化して、部品の共用化などで製造コストを抑えたようだ。
  錦川鉄道NT-3000はご覧のようなラッピングが施されている。最初に登場したNT-3001は青の車体にアユと清流のデザイン。愛称は「せせらぎ号」だ。他、ピンクの車体に桜の「ひだまり号」、グリーンの車体にカワセミの「こもれび号」、黄色の車体に蛍の「きらめき号」の4種類がある。私は実車について全然知らなかったのだが、月刊誌「とれいん」に「せせらぎ号」の作例が出ていて"一目惚れ"。ゲージがNではなくHO(1/80)だったのだが、思い切って組み立ててみることにした。

ラッピング系のデカールは初体験なので……

  こういった車体全体を覆うような装飾を「ラッピング」と呼んだりする。模型で再現する場合、通常はデカールを用意して貼ることが多い。ラッピング系のデカールは、通常のデカールの場合よりもはるかに多くの車体にある凹凸を拾わなくてはいけない。デカールは軟化剤を使えばある程度柔らかくなり、凹凸にも馴染むのだが……ラッピングデカールは初ということもあり、難しそうな部分は逃げることにした。それが上の画像の部分で、実車では行き先表示機のところにも葉っぱの緑色がかかっているのだが、模型は別パーツになってることを幸いにデカールを貼った後で上から取り付けた。これは多分"正解"で、これよりも小さな段差にも四苦八苦。「とれいん」誌の作例ではきちんとパーツを付けてからデカールを貼っていたようだが……一体どんな軟化剤を使ったんだろう。
  窓ガラスのパーツには周囲に段が付いていた。実車写真を見ているとこの段差の部分までが車体色で、なおかつラッピングはその部分にまで回っている。同時発売のデカールはそこまで印刷されておらず、印刷されていたとしても窓の部分にまでデカールを貼るのは困難。というわけで段差には見て見ぬフリをすることにした。

なかなか凛々しい?

  車体上部にヘッドライトがあり、前面腰部はのっぺりとしたデザイン。この手の車輌は下半分の間が抜けてしまいあまりカッコいいとは思わないのだが、ラッピングデザインとは愛称がいいかもしれない。
  全体的にパーツ構成は考えられており、組み立て時のストレスはほとんどない。唯一、運転席の側面窓のみサイズが合わず、なおかつ最後の組み立て時まで気付かなかったので慌てて修正するハメに……。ちなみに実車のスカートはグレー。この模型で車体色と同じブルーに塗られているのは私のちょっとした好み。組み立ててみてカッコ悪かったらグレーで塗り直すつもりだったのだが、JR九州のNDCのイメージ(*1)が頭にあるせいかなかなか似合っていると思う。
  窓が大きいせいもあって、中身ががらんどうなのが気になっている。プラ成型色も丸出しなので気が向いたらこのあたりは手直ししたい。それから、ヘッド・テールライトの点灯化もできればやってみたいし……等々課題が残ってしまったが、とりあえず"完成"として年内の残り時間はNゲージの旧型国電に使いたい。

*1 JR九州のNDCキハ125や島原鉄道のは、スカートが車体色の黄色で塗られている。派手な車輌にはスカート車体色が似合っているかも?

(2010.11.28)

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