近鉄3200系完成

完成した近鉄3200系(もちろんだがNゲージ)

  例によって"零"に邪魔されて完成が遅れた?近鉄3200系。実車は近鉄京都線の、京都市営地下鉄への乗り入れ用に登場した車両だ。確か近鉄でVVVFインバーター制御を採用した最初の電車でもある(これの前に試作車ぐらいはあったかもしれないが)。また、白とマルーンレッドの2色塗り分けで登場したのも本車が初で、以降シリーズ21までの通勤車両は、在来車を含めてこの2色を使った塗り分けとなる。前面は近鉄では珍しい左右非対称のデザイン。後継の3220系もこの流れを汲んだ左右非対称デザインとなる。また、これまた近鉄では珍しく前面連結器に電気連結器を備えない。3220系も同様。
  模型はグリーンマックスの塗装済みキット用に発売されたMODEL524の前面パーツを使っての製作となる。私は最近発売された未塗装バージョンのキットをベースに、MODEL524の前面を接合。足りない中間車はバルクパーツ。また、両側の先頭車がベースとなる車両と違って共に制御車となるため、妻面の切り継ぎを行っている。他、細々とした差異を工作技量に合わせて適当に誤魔化しながら製作した。

近鉄らしからぬ?前面デザイン

  この前面意匠を再現したパーツが……前面パーツプラスアルファのパーツセットでパーツセットとは思えぬ値段だったりする。未塗装4両キット本体よりもパーツ代の方が高かったり。しかも前面窓ガラスは「各自工夫」な上、ワイパーのパーツもない(今回は見送り、そのうち工夫して何とかしたいところ)。ヘッドライトは別パーツ化されているのだが、テールライトが一体成型で将来点灯化したくてもかなり難しい話になる。スカートパーツの取り付けも特に考慮されておらず、無難な方法で取り付けたもののあと0.5ミリぐらいは前に出したかった ……とまあ文句をブツブツ言ってるのだが、このパーツがなければ製作難易度はさらに跳ね上がっていたのも事実。まああるだめマシと考えよう。
  先頭車には「VVVF」のロゴマークが付いているはずなのだが、私が作ったデカールの出来具合と好みの関係で今回は省略。実車の3201F編成では現在何故か剥がされているようだが、後述するように「現在の姿」を忠実に再現しようとした結果ではない。

先頭車屋上のアンテナ

  地下鉄乗り入れ用?のアンテナ類。四角い輪っかみたいなパーツは、GM完成品の3220系用部品を分売パーツとして入手。その他の部分は「おゆまる」と光硬化パテによる、これまたGM完成品3220系からのコピーである。思ったよりはシャープに作れず、今後の課題でもある。
  なお、3220系と3200系は屋根のカーブが微妙に違うため、おゆまるで作った型を押し当ててのコピーは難しいと判断。パテを型に塗りこんだ後、そのまま硬化させてパーツとして配管パーツ他を作成。ここまでは良かったのだが、硬化した光硬化パテにはプラ用接着剤が効かなかったのが誤算。屋根への固定には瞬間接着剤を用いることになった。
  両先頭車でランボードの付く側が反対になるが、キットにはプロトタイプの関係上一種類しか付属しない。そこで中間付随車用の屋根を適宜削って、付属の屋根とはランボードが反対側に来るようにしたものを作った。

3200系では微妙に違うパンタ周り

  パンタグラフ脇のヒューズ箱の数が違ったため、こちらも「おゆまる」と光硬化パテを活用。微妙なところシャープに成型できなかったのだが、完成させてしまえばそんなに目立たない? 屋根パーツは2パンタ車用のものを使用(3両とも)。両パンタ車はヒューズ箱以外はそのままでいけるが、1パン車は不要となるパンタ周りと配管を削り取る。なお、結果として出来た1パン車の配管は実車と比べて左右反対であるようだ。
  なお、パンタグラフは部品を買い間違えてしまったため実車とは違うものを暫定的に取り付けている。

前回製作車と色を比べてみる

  前回作った近鉄を後輩に見せると、色が明るすぎると指摘を受けた。自分でもそう思ってたぐらいだから至極全うな指摘である。というわけで、今回は塗装にあたって少し暗めに調色し直してみた。左が前回製作した車両で、右が今回の3200系である。今度こそ文句なしの近鉄マルーン(マルーンレッド)に仕上がったと思う。ただ、付属の車番インレタと色が近いのはどっちかと言われると前回製作分である。ナンバーとのカラーマッチングを取れば前の色、イメージにより近いのは今回の色、である。
  実車の妻面は現在、そのマルーンレッドで塗られている。しかし、手持ち資料の実車登場時の写真では白い。前回作った車両は妻面の白い時代に設定したので、今回の3200系も白を選択(マスキングが楽だしね)。実車がいつ頃変更されたのか資料がないので分からない。おそらくは塗装簡略化と同時期だとは思うのだが……細かいことを気にするのはやめよう。

(2010.11.08)

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