旧国プロジェクト第二弾、大糸線進捗状況

クモユニ81前面

  荷物・郵便車クモユニ81。荷物・郵便車としては珍しい新造車で、80系の一員。当初クハユニ88となる予定だったらしいが、単行で運行できるよう両運転台のモユニ81(称号改正でクモユニ81に)となった。大糸線転属に際し青22号一色塗りとなり、「海坊主」の呼び名が付いた。
  模型では、キットをほぼそのままで組む予定だったが……ジャンパ線受けが追加されていたようなので、それを再現することにした。タヴァサのパーツをそのまま付けても良かったのだが、雰囲気が若干違うので直径0.9ミリの穴を開けてプラ棒を差し込み、台座?部分を再現。なお、この直径0.88ミリのプラ棒は、阪急5100系5128Fの前面ライト周りを改修する際に使ったものである。

ジャンパ線受けを付けてみたところ。

  前面下部のちょっとしたところなんだけど、そのちょっとしたところに存在感が出てくる……かどうかは完成してみないと分からない(自嘲気味) 若干斜めになっているのだが、それは実車写真で確認すると(クモユニに限らず)そういうものだから。パーツのポン付けではそれが再現できないので、プラ棒を差し込み、端を斜めに削ってから取り付けたわけだ。
  他、ライトを別パーツに、タイフォンカバーの形状がキットのままでは気に入らないのと、それからスリットの向きが違ったので銀河モデルのパーツを付けてある。ライトは、今までの反省を活かして、部品を取り付けた後に隙間を埋めてみたが、その画像は用意するのを忘れた。

クモハ54101の窓位置調整

  元モハ60のクモハ54101。40系の側板と51系の側板を切り継ぐのだが、その際窓位置がおかしくなるので後方にずらしてある。プラ板の白い分だけ後方にずれていることになる。なお、撮影時点では窓枠は作業途中だった。

同じくクモハ54101の前面

  実車の前面運転室窓は、木枠押さえからゴム押さえに変更されている。おそらく実車でもそうだと思うのだが、木枠部分を一枚の板で埋めて、そこに新たに穴を開けて窓を取り付けている。模型でも似たようなもので、ゴム押さえの前面パーツもあるけど、敢えて木枠の前面を使って同様の工程を踏む。

上と同じものを角度を変えて

  ところで、半流型の前面は丸いが、板は直線。普通に埋めるとご覧のように段差ができる(ご覧のように、というほど分かりやすい画像ではないが……)。この段差はどう処理するでしょうか? 「パテで埋めて必死に整形する」「技術がないので諦める」――という回答はいずれも間違い。正しい答えは「実車もそこに段差があるので、そのままにする」。さっき「敢えて木枠の前面を使う」と書いたが、何故それを使ったかというとここの再現のため。多分キット付属のゴム押さえの前面パーツは窓回りも丸くなってるはず。

ドア抜きの後の処理

  過去に読んだ雑誌の模型製作記事では、ドアを抜いた後は「エッチングパーツがちょっとキツいぐらいになるように整形して、エッチングパーツをはめ込んで(瞬間接着剤で)接着する」となっていた。しかしながら私はこの製作方法に疑問を感じる。キツいぐらいにはめ込めるかどうかをチェックする時に、ちょっとした力加減でドアパーツが曲がってしまう。曲がってしまったら新しいパーツを使えばいいのだが、経済性&資源の有効活用度という点で疑問が残る。それに、車体とドアに微妙な段差を付けつつ、車体面とドア面を並行に、かつ1両に何枚かあるドアを揃えて接着することを考えるとその方法はあまりにもファジーすぎる。というわけで私は、若干緩いぐらいにドア周りを削り広げ、ドアパーツを保持するガイドを作ってはめ込んである。このガイドは0.3ミリ厚のプラ板で、裏面がツライチになるようにして接着。前面の貫通扉も同様。

40系半流車の屋根

  クモハ60やクモハ54101(それにこの後作るであろうクハ55)等の40系半流車を作る際、屋根は51系のものを使うことになる(40系のものを削って使えなくもないが、相当面倒と思われる)。その時問題となるのが、51系よりも伸びてしまう車体長。床板は見えにくい部分なのでいくらでも誤魔化しようがあるが、屋根の場合はどうしても寸足らずになってしまう。というわけで、一旦切断した上で間にプラ板を噛ませ、屋根カーブに合わせて削り出すことで屋根長さを延長している。切断にはレザーソウを使っているので、刃の厚み分ロスが出るが、その上で0.5ミリ厚のプラ板を3枚噛ませるとちょうどいい長さになった。カッターで切断した場合、0.5を2枚と0.2か0.3ミリのプラ板1枚分ぐらいになってたかな? なお、ロスを承知でレザーソウを使うのは、切断がものの数十秒で完了するという作業性の良さを買っての事である。

(2010.04.18)

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