ワールド工芸「ジハニ6055」

ワールド工芸「ジハニ6055」が完成しました

  今日完成したのはワールド工芸の「ジハニ6055」。キワ90に続くワールド工芸第二作だ。そういや第一作目になる予定だったアレ、どうしようかな……(デカールを貼る段階でミスしてお蔵入り)。車両のカテゴリーとしては「蒸気動車」という部類に入り、蒸気機関車の客車版と思ってもらったらいいのかな? 蒸気機関車は後ろに何か繋げて走るわけだが、蒸気動車はこれ1両で走り、お客さんも乗せるわけである。他、いろいろ解説を書こうと「日本の蒸気動車」という本を引っ張り出してきたのだが、何を書いたらいいのかわからない(笑) 国鉄という名前が出来るよりも前、鉄道院と呼ばれた時代の車両である、とだけ書いておけばいいかな。ちなみにその本、このワールド工芸ジハニ6055のキットを買った後で「資料になるかも」と購入したのだが、結局完成するまで一度も開かなかった。今日の今だよ、ページを繰ったのは。っていうかさっきまで存在すら忘れていたよ(笑) で、ペラペラめくってみて分かったのは、模型作るときの資料にはならなさそうということ(笑) これならよっぽど「エヌ」の組み立て記事の方が参考になる。ま、せっかく買ったから後日じっくり読むことにしよう。

苦労したロッド周り

  先日のキワ90で初めてワールド工芸の動力を組み上げたわけだが、このジハニ6055はさらにワンランク上の作業をしなければいけない。それが画像に写っている部分で、車輪の回転と連動して動くロッドである。実車は蒸気機関から動力がロッドに伝えられ、そのロッドが車輪を回して車両が動き出す。蒸気機関車もそうである。模型の場合、車輪はモーターからギアを通してダイレクトに動力が伝わる。ロッドはその車輪の回転と一緒に動くだけの「お飾り」である。お飾りとは言え、動くのでそれなりの精度でかっちり組んでやらないといけない。「エヌ」の組み立て記事のロッドはばらばらだったのだが、実際の製品はメインの部分が組み立て済みになっていて……かえってハンダ付けしにくかった。即ち、固定する部分と動く部分が一緒のパーツになってしまっているので、ヘタにハンダ付けしようとすると動くべき部分もろともハンダの海に埋もれてしまう。私の拙い技術では失敗確率99.99%ぐらいが見込まれたので、素直にゴム系接着剤で妥協した。妥協したはいいけど、当然接着強度が弱いのでそれはそれで苦労した。組み上げてもひっかかったりで調整に手間がかかって……。でもまあ、一応走るようになったし、よしとしよう。

反対側から

  反対側を見ると、なんと窓が……ない!? 中央の一番大きな窓は「ふさがれていました」とのことなのだが……理由は何だろう? 車両の窓配置を見るとこっち側は丸々客室だったことが想像されるのだが、だったらこの車両、行きはいいけど帰りはどうやって運行してたんだろうね。謎はいろいろあるのだけれど、まあ模型だし気にしないでおこう(おいおい)。
  ここで模型の色について。メインのぶどう色1号は、グリーンマックスのぶどう色2号に適当に黒を投入して暗くしてみた。いい感じである(自画自賛)。ところでぶどう色というともっと別の色を想像してしまいそうだが、鉄道業界ではこの色である。かつて国鉄のどこかで、「この電車、ぶどう酒色に塗れってさ」という指示が飛んだらしいのだが、出来上がった電車の色は茶色(ぶどう色2号)。しかし、指定は「ぶどう酒色」であって「ぶどう色」ではない。本来ワインレッドに塗られる予定だった電車が茶色になっちまった。慌てて塗りなおされたらしいが、塗りなおすまでの間は仕方なく茶色で走らせていたらしい。そんな笑い話を模型化したものがトミックスから発売されていたというのだからこれまた驚き(笑) さて次に、等級帯の赤は、結局そのまま赤を塗った。かなり鮮やかだが、これぐらいアクセントがあってもいいと思う(自画自賛)。屋根は鉛丹色。いわゆるレンガ色で、これまた市販品に使えそうなものがなかったので自分で調合した(色音痴の私にアドバイスをくれた母上に姉者に義兄上に感謝)。ちょっと艶消し剤が足りなかったのでツヤが出すぎたが……ま、細かいことは抜きにしよう。屋根上にならぶランプカバーとベンチレーター(この時代独特の「トルペードベンチレーター」というヤツだ)は、変化を付けたくて自作の鉛丹色に黒を混ぜてみたものを塗った。ところが……塗ってから気付いた。色の組成的に言うと、鉛丹色に黒を混ぜるとぶどう色に近くなるじゃん。しかも少し多めに黒を混ぜた物だから……これだったら最初からぶどう色2号あたりを塗っておけっつうの(苦笑)

手すりがいい感じに仕上がった

  車両側面に付く手すりは実車は真鍮だったらしい。というわけで模型でも真鍮……にすりゃいいのに、何故か付属のパーツはステンレス(銀色)。理由は分からないが、やっぱり強度の問題かなあ? というわけで金色に塗装の上取り付け。アクリルラッカー系の金色が綺麗に塗れなかったので、エナメル系の金色に急遽変更。怪我の功名?でこれがいい感じに仕上がった。エナメル系のメタリックカラーはいい仕事してくれるよ。
  ところで、2枚目の写真で気付いた方もいるだろう、文字は右から読むようになっている。鉄道院と呼ばれていたはるか昔の日本で使われていた車両なので、当然といえば当然? 付属のインレタを一旦デカールに転写後、車体に貼り付けてある。車体に凹凸があり、インレタでは綺麗に貼れない可能性があるので……ワールド工芸の説明書に親切にそう書いてあったので、無駄な挑戦はやめて素直に従った。
  ワールド工芸の完成見本や「エヌ」の組み立て例を見ると、マグネマティックカプラーという連結器を取り付けてある。マグネマティックカプラーはオプションで、製品に付属していない。で、私は敢えて製品に付属していたダミーの連結器を選択した。小さなフック型の簡素な物で、今回私が用意した画像ではほとんど確認できない。ネットで発見した実車写真でもそうで、ほとんど見えないので「目立たない方がリアル」と判断したのである。決して別売りのものを買ってくるとお金が余計にかかるとかセコイことを考えたわけではないことを強調しておく(笑) 第一、実際連結可能な連結器を取り付けたところで何を繋げて走らせればいいのだろう? この時代の車両は他に持ってないし……敢えて言うならOn30の石油発動車ぐらいか。スケール違うから全く意味ないけどね。ただ、模型だから何を繋げて走らせてもいいという考え方もある。もしジハニ6055に似合う車輌に出会えたら、そのときあらためてマグネマティックカプラーを買ってきて交換することにしよう。

(2009.02.18)

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