鉄道模型制作報告「70系300番台」その1

まずは側板の“型紙”制作(パソコン画面のスクリーンショットより)

 今週の主な作業内容
(1) 型紙の制作
(2) プラ板のカット

(1-1) 70系300番台は現在グリーンマックスにないラインナップである。かなり前にタヴァサホビーハウスの金属コンバージョンキットを作ったことがあり、説明書に載っていた資料が旧国制作にのめり込むきっかけにもなった。2年前の新潟色のクハ76 304はGMキットを加工して組み立てたもの。今回はそのクハ76、よりも同時制作のサハ75に近い作り方をする(なお、その際に「スクラッチの様子は写真に撮ってあるので、また後日にでも。」と書いたくせにそのまま忘れていた……今回の一連の作業でその代替とさせていただきます(陳謝))。
 サハ75の製法は、一言で言えば「プラ板加工」である。屋根と妻面はGMキットのものを使うが、側板はタミヤのプラ板から作った。まず窓やドアの位置を割り出す必要があるが、その作業はパソコンを使う。私の場合は「筆まめ」を使って作図し、シール紙にプリントアウトして型紙とした。上の画像はクハ76、モハ70それぞれ1両分のデーターである。

前に作ったサハ75のデーター(パソコン画面のスクリーンショットより)

(1-2) こちらは先述のサハ75のデーター。今回作る300番台のクハ76、モハ70との一番の違いは何でしょう? 答えは、サハ75はデーター量が2倍ということ。300番台は1側面につき1枚だが、サハ75は1側面につき2枚作図している。この違いがどこから出てくるのかと言うと、サハ75は木枠窓の表現のために外張りと内張りで窓の開口サイズが一回り違うので、外と内それぞれのデーターが必要である。一方で300番台は、トミックスの分売品の窓ガラスパーツをはめ込むので、窓はシンプルに四角く開いていればいい。内張りはプレーンな状態で貼り合わせ、外張りに合わせて穴開けすればいいので作図の必要がないのである。

テストプリント

(1-3) シール紙にプリントする前に、普通紙でチェック。サイズや窓、ドアの配置などを、未組み立てのクハ76側板や完成したクハ76などと見比べて問題ないか確認する。ちなみにその1、一番上のモハ70のデーターがちょっとズレていたので、本番前に修正しておいた。ちなみにその2、自分で作って自分では分かっているからこれでいいのだが、作図の利便性の関係で余分な線がいくつかある。あと、1番上の図面を見て「クハ76は逆では?」と思われた方は鋭い。型紙を貼り付けた側はカッターの刃による余分な切れ目が入りやすい。型紙を貼っていた面が表に出ないように内張りと張り合わせるので、作図は逆にするのが正解なのである(モハ70やサハ75では特に気にする必要のないポイント)。

プリントアウト

(1-4) 修正して問題のなくなったデーターをシール紙にプリントする。シール紙はノーカットのものを使い、そして再剥離タイプを選んだ。今回はクハ76、モハ70それぞれ2両ずつなので、1枚の紙に2回、上下ひっくり返してセットして印刷した。中央部が余って勿体ないが、片側に寄せたところでやっぱり余るので仕方ないと割り切る。もちろん捨てたりはせず、とりあえず保管しておいて何かの時に使うようにしてますよ。

カットしてt0.3のプラ板に張り付ける

(2-1) 外枠より一回り大きく切り出し、そしてさらに一回り大きめのプラ板に貼る。使ったプラ板の厚さは0.3mmだ。

窓とドアを切り抜く

(2-2) 作図した線に沿って窓とドアを切り抜く。戸袋窓はHゴム押さえなので4隅を、ドアは上部2隅がRを描くため角を残しておく。型紙を剥がした後、丸ヤスリで削ってRを出すのだ。

型紙を剥がす

(2-3) 切り抜きが終わったら型紙を剥がす。細いところがあるので丁寧な作業が求められる。塗装後にマスキングテープを剥がす要領だ。切ったフチには“返り”が生じているので、紙やすりで綺麗に均しておく。裏表どちらも行うが、この段階では特に貼り合わせの際に内側になる面をしっかりとやっておく。

内張りを貼る……が、ミスした

(2-4) 最初は外張り1枚の状態で丸ヤスリをかけていたのだが、板が薄くて作業しにくかったので先に内張りと貼り合わせることにした。しかしこれがミス。サハ75の時はドアを別のところから持って来てはめ込んだのだが、今回は内張りがそのままドアになる。つまり外張りだけの状態できっちり寸法を出しておかなくてはならず……仕方がないので、一旦ドアを開口して、きっちり整形してから再度別のプラ板でドアをはめ込むことにした。二度手間!

ドアの問題は一旦さて置き、窓間の柱を作る

(2-5) ちょっと気落ちしたので先に気楽な作業から。窓は車端部、ドア間それぞれを一度に抜いたが、間に柱があるので“付け直し”しなくてはいけない。1枚1枚抜くよりは簡単で、私が実車写真を観察した限りでは本物もこういう構造をしている。

上:ドア部の整形が終わり、改めてドアを貼り付けた
下:反対側の作業を開始

(2-6) ちょっとこの辺から写真の撮り方が変でごちゃ混ぜになります。上は先述のドアの作業が終わったところ。前後してHゴム窓の整形も完了。ドアはこの後窓を開けなくてはいけないが、接着剤がしっかり乾いてから行いたいので反対側面の作業を開始した。

上:ドアの窓開け完了、一部の窓には仮に窓ガラスをはめ込んでみた
下:ドアのところをしっかり整形した上で内張りを貼り付け

(2-7) さらに作業が進んで、上はドアの窓開けが完了したところ。一部の窓には窓ガラスパーツをはめ込んでみたが、写真が小さくて良く分からない……。下は、今度こそドア部をしっかりと整形してから内張りを接着した。そう言えば書いていないが、内張りも外と同じ0.3mm厚のプラ板を使っている。

裏側はこんな風になる

(2-8) 裏から見るとこんな感じ。2段窓の柱部分の裏打ちはt0.13のプラ板で、表側にt0.3、t0.25のプラ板を積み上げている(僅かな段差を作るために1枚はt0.25にしたが、その効果がどう出るかは塗装後にならないと分からない)。ドア窓はt0.3一枚だと窓ガラスパーツとの厚みが合わないので、もう一枚t0.3を貼り合わせてある。

 さて、しばらくはこんな感じの作業が続く予定だ。「鉄道模型制作報告」も「先週と同じ作業」で「今週はここまでできた」ぐらいの薄い内容になりそう。

(2022.09.04)