鉄道模型制作報告
「旧国 阪和・片町線(III)」その8
手すり用の穴開け

 クハ47改79に作業が戻る。悩んでいた手すりだが、再現できそうであれば再現しよう……ということで恐る恐る穴を開ける。運転室と中央の窓間の桟にある3つの手すり、スペースが狭いので横並びに2つ穴が開けられるのか?という問題があったのだが。最初一番下のところはφ0.3で開け、なんとかなりそうだができればもう一声、ということで、封印していたφ0.2のドリルを開封して残る中央と上の4つの穴を開けた。φ0.2のドリルは、かつてポキポキ折ってしまったが故に私の手に負えないと諦めていたものだ。それでも一応1本用意しておいて良かった……役に立つことが来るんだね。
 中央下に見える白い帯は、大型ステップのディティール兼“補強”だ。ステップのサイズに対して、突起一つと0.2mm?の断面だけでの固定では強度が足りないと思ったので、少しでも接着面積を稼ぐための足である。実物のステップは折り曲げて「¬」形にして取り付けてあるので、オーバーではあるがその表現も兼ねている。

手すり付けた

 迷っていた部分がなんとかなったので、後はいつも通りサクサクと作業を進めて行く。ちなみに件の箇所は「0.8mm」の手すりパーツを使っているのだが、パーツを買う時は「まあ多分使わないだろうけどいつか役に立つかもしれないから……」とアテはないのに買っておいたもの。何でも一通りは揃えて置くものだ。
 右のクモハ60の貫通扉脇の手すりの省略はいつも通り。今回やっぱり生やしておこうかとも考えたのだが、幌に干渉する恐れがあるのと、今までのには付けてないので仕様を揃えることにした。

も一つの手すり問題

 クハ47改79は乗務員扉脇の手すりも問題だった。内側に向かって折れ曲がった形状をしているのだが、いつものランナー引き伸ばし線イモ付けでは再現できない。というわけで今回はエッチングパーツを使うことに。差し込んでから写真のように折り曲げる。該当箇所の拡大写真はないが、ボナファイデの17m級旧国で学んだ技法である。

手持ちの在庫から使えそうな手すりを探した

 クハ47改79の前面の一部や乗務員脇の手すりは普段使わないサイズのものだったので、手持ちの中から使えそうなサイズの物を探し出した。先ほどの側面用は「クモハ52用手すりセット」から見つけ出したもので、もちろんこんなところで役立つとは思ってなかった。本当に買っておいて良かったと思う。
 ――こういうところが以前は手すりの別パーツ化をしてなかった理由でもある。いつどこでどんな風に役立つか分からないので、いろいろ買って手元に置いておかなくてはいけないし、そもそもちょうどいいサイズのものが製品にあるかどうかも分からない。クハ47改79前面の中央と助手席の間の手すりも、本当はもう少し長い2.5mmぐらいが最適かと思うのだが、なかったので2.0mmで妥協している。

40系半流車を作るときに必要な工程

 最初の頃は気付いていなかったのだが、40系や42系の床板と51系の床板で高さが微妙に違う。40系半流車は「40系側板+51系床板」の組み合わせになり、リブをそのままにすると車高が高くなってしまう。ということで、クモハ60はリブの付け直しをする(上)。今まで車体全体に施していたのだが、今回よく見ていて中央部分だけで良さそうなことに気付いた。下は比較用に、そのままのサハ57の側面の裏側。
 ちなみに今週の段階までクモハ60に動力を入れるかどうかで迷っていた。入れた方が編成の自由度は増すが、Nゲージの動力は個体差が激しいこともあってM車比率が高くなりすぎるのも良くない。過去に作ったのを見返していて、阪和線は動力車が多いことに気付いたのでMなしに決めた。動力を入れるとリブの扱いが全く異なるし、ドアの台座にも影響してくるのでこの写真の段階ではまだ付けていない。
 ちなみにパート2。当初の計画では全車Mなしで作るつもりだった。が、モハ72500は阪和・片町両線で使う車両で、DT17問題も片付けやすいという理由で動力を入れることになった。

ドアパーツに色を塗って、側板に固定

 ドアパーツは予めプライマーとねずみ1号を吹いてから側板に接着。接着前に塗っておくのは、プラ製である側板をなるべく金属シンナーに晒さないためである。

―――――
 現在「旧国」「阪急」「その他」という3つのカテゴリーに分けて模型制作を進めている。いつもだいたい「旧国は〇週」「阪急は〇週」という目安を付けている(*1)のだが、今回は夏の暑さに参ってスタートでゆっくりしたので時間が掛かると見ていた。ところがやっぱりいつも通りぐらいで完成しそうなので少し戸惑っている。「ゆったりスタート」は何だったのか。実は今回作業量が少なかったのか。ゆったりな分集中して作業できた、という説が自分の中では有力だ。だとすれば今後の身の振り方をいろいろと考えさせられる。差し当たって今の話だが、もしこのまま順調に完成したら次の「その他」は2本立てを考えている。そこも順調なら、年内いっぱいは心残りになっている作業に使おう、とも。ってこれ、全然今の話じゃないな。まずは今作ってる6両をきっちりと完成させよう。

*1 「その他」は振れ幅が大きすぎるので何も考えていない。

(2024.10.13)
   TOP PAGE 侃侃諤諤 橘発の夜行鈍行