2024年7月中頃〜10月初頭に読んだ小説

  
 いつもは4冊溜まったら更新するのだが、今回は勢い付いてて更新前に5冊目が終わっちゃった。

【Re:ゼロから始める異世界生活37】
「可愛いでしょ。これ、俺の天使」
スバルのこのセリフがツボだった。ここまで恋人完全ヨイショなやつもそうそういないだろう。お互い天使がいる身同士、応援してるぜ!
 というアホな話から始まったが、38巻そして第8章は衝撃のエンディングを迎える。まさかのプリシラ消滅。王選候補者「最初の」脱落とのことだが……まず、5人揃っての王選にならなかったことに驚き。「最初の」ということは、2人目以降もいるということ。究極的には一騎打ちかもしれないし、何なら4人脱落しての消去法かもしれない。まあ流石にそこまではやり過ぎにしても、3人脱落するとしてその過程を丁寧に描写するとなれば……まだまだ長く続きそうだなあ。そろそろ畳む方向へ進んで欲しいのだが。だってもう37巻だぜ。
 ちなみに私が予想している『Re:ゼロ』のエンディング、王選の結末は――エミリアは選ばれない。記憶を取り戻したクルシュ・カルステンが次の国王になるのではないかと。但し「エミリアの夢破れる」ではなく、クルシュが責任持って引き継いでくれる。スバルは“呪い”が解けて元の世界へ帰還する。そのスバルを追ってエミリアが……という流れでどうですかねー? ま、あくまで私好みの展開ってことで。絶対外れそうな予想なので、最終巻出た後自作小説でも書きますかねー?(書くけど公開するとは言ってない)

【黒牢城】
 織田信長に反旗を翻した荒木村重が、毛利の援軍をあてにして有岡城に立て籠る物語。ただの歴史ものではなく、有岡城で起きる数々の怪奇?を村重が捕虜の官兵衛(後の黒田官兵衛)の助力?を得ながら解決していくという、米澤穂信らしいミステリー仕立てとなっている。牢に囚われの官兵衛はさながら安楽椅子探偵といった様子を見せていたが、最後は心中を吐露し、終章の後日談ではその悔恨も語られる。話は村重を中心に進んでいくが、『黒牢城』というタイトルの付け方を見ると官兵衛が影の主人公なのだろう。ただの謎解きものに終わらない仕掛けが施された一冊だった。
 途中「尼崎城」という単語が出てきてテンションが上がったり(笑) 尤も尼崎城自体は話の流れにあまり関係ないのだが……。

【一生働きたくない俺が、クラスメイトの大人気アイドルに懐かれたら 6
 国民的美少女アイドルたちとのクリスマス
 クリスマス回にしてほぼ全編平和な話に終始する。いやまあ、見方を変えればアイドル3人が主人公を巡ってバチバチやりあったバトル回という解釈もできますがね! にしても……別のラノベのところでも似たようなこと書いたような気がするんだけど、このアイドル達何やってるの!? 病気で弱っているのをいいことに主人公の布団に潜り込んで添い寝するとか。風邪がうつっちゃうでしょ!(そこかい!) いやしかし正直に言って羨ましいぞりんたろーくんみわべさくらデザインの可愛い女の子がこうして布団の中でくっ付いてくれるなんて。

 ――うぉっほん!

ついつい本音が漏れてしまったがそれはさておき。えーっと何の話だっけ?(誤魔化し切れていない) 「凛太郎の精神力にあっぱれ!」だっけ?(違)
 例によって全編至る所で主人公が料理していたような気もする。この本、料理まん……料理小説だっけ? 凛太郎が贈られたクリスマスプレゼントも牛刀だったし……めちゃくちゃクリスマスっぽくないな!
 ところで。口絵のカラーイラストに「クリスマスパーティー」とあるけど、これって年末大掃除の後の夕食のキムチ鍋じゃないの?

【ラーメン赤猫 本日も接客一番!】
 突如?発表された『ラーメン赤猫』のノベライズである。「小説→漫画→アニメ」というような流れが多いが、「漫画→小説」というメディアミックスも決して珍しくはない。私が遭遇するケースはあんまりなので、今ぱっと思い出せるのは『DEATH NOTE』ぐらいか。そして「小説→漫画」でもよくあることだが、「漫画→小説」で「漫画は面白いが小説はイマイチ」というのも良くある出来事。ま、基本的に私はあまり活字を読むのが好きじゃないからね。って言ってる割にはこうしてテキストメインのサイトを運営しているわけだが。
 さて、本『赤猫』コミカライズは……まあまあ及第点といったところ。話のプロットは誰が作っているのか分からないが、『赤猫』らしい話の作り。特に『幽霊事件』のところの「(口に出して言わないが)怪談好きの珠子としては、少しワクワクしていた。」のところは、漫画版であれば話と話の間のオマケページの“ひとコマ”にありそうな一文だ。

【華枕】
 前回の最後のところで言及していた「『二次元の嫁』案件」がコチラ。「二次嫁」を始めて間もなくの頃、表紙の女の子が可愛いというだけの理由で買った一冊だ。実際問題としては「表紙の女の子が可愛い」だけで本を買ってたら、今頃部屋じゅうに足の踏み場もないぐらいに埋もれているはず。可愛いにプラスアルファの魅力が本作主人公「タンポポ」にあったということで。
 あらすじを紹介しようとすると大人向けの単語が出てくるので省略……と思ったけど、某一世を風靡したナントカの刃にもあったらしいからまあいっか。「願い」と引き換えに「華枕」として遊郭で働くことになった少女たちの物語。タンポポは自分が何を願って遊郭「華壇」へやって来たのか記憶がなく、戸惑いながらも他の華枕たちのお世話をし、華枕としての役目を全うしようとする。
 物語の主軸はお世話係に任命されたキンモクセイとの友情の部分。最後は無事打ち解けた……のかどうかよく分からないまま、余韻を残して幕を閉じる。タンポポが現世で何を願ったのかも曖昧なままで、現世に戻るとかそういった話も全く出てこない。簪を外してはいけない、というのも何かの伏線かと忘れないように読み進めていたけど、推測の域を出ない話しか出てこなかった。そんなわけで全体的に、私としてはちょっと消化不良な感じだった印象を受ける。出版は2015年と今から9年前のことで、続編は出ていない。正真正銘これで「終わり」で、明記されてないところは読者の想像にお任せします、といったことか。どうやら『華枕』というのはそういう一連のプロジェクトのようで、本書はその一環にすぎないみたいだ。メディアミックスはされているもののこの小説が原作というわけではなく、タンポポもこの小説のオリジナルキャラクターと思われる。漫画版もあるのだが、小説とは直接の繋がりはなさそう。きっと舞台に関しても同じことが言えるのだろう。『華枕』は世界観を楽しむ、そんな作品なのかもしれない。
 「願いと引き換えに」という部分は『まどか☆マギカ』を、「夢の中で客の心の棘を抜く」は『まちカドまぞく』を、ちょっと強引だけど本当の名前に代わってタンポポと名付けられた部分は『千と千尋の神隠し』を連想したり。別にパクりとかそういう話じゃないです。先述の通り2015年出版なので、本書とどっちが先かは気になったらチェックしてみてください(笑) 

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 『Re:ゼロ』と『黒牢城』はちんたら読んでたんだけど、残りの3冊は10月入って一気に片付けてしまった。謎の気合いだ。私としては長年の課題だった『華枕』を読み終えて肩の荷が下りた気分。これについては、気になっていろいろ調べたけど、謎が深まってよく分からないまま調査終了となった。その辺書き始めるとまた別のカテゴリーになってくるので、今日は言及しない。
 さて、例によって『Re:ゼロ』の続きが出ている。毎年の鼠色の猫さんからの誕生日プレゼントだ(*1)。今回短編集がひと月遅れて、10月の25日に発売が予定されている。11月の頭に『才女のお世話』最新刊が発売予定で久しぶりに特典目当てにメ□ンブックスで買うかもしれない。そして……『烏に単は似合わない』を買って読み始めている。漫画版で読み始めた『烏は主を選ばない』の前の話になる。目標は15日までに読み終えること(*2)。次回はこんな感じの4冊になりそう。

*1 原作者長月達平の別名は「鼠色猫」。長月って言うぐらいだから9月に縁があるのかと思ったら3月生まれらしくそこは関係なさそう。基本的に3の倍数月の25日に単行本が出るので、私の誕生日にヒットすることが多い。
*2 15日締め切りのグッズを買うかどうかで悩んでいるので、その判断材料にしたい。

(2024.10.12)
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