2024年8月お盆前に読んだ漫画

タイトル巻数評価
< 既刊 >
  転スラ日記  ☆☆☆
  BLOODY MONDAY Season2 絶望ノ匣  ☆☆☆
  BLOODY MONDAY Season2 絶望ノ匣  ☆☆☆
  悪友の俺がポンコツ騎士を見てられないんだが、
  どう世話を焼きゃいい? 〜まどめ外伝〜
 ☆☆☆
  烏は主を選ばない  ☆☆☆
  うちのちいさな女中さん  ☆☆☆
  追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する  ☆☆★
  いつか死ぬなら絵を売ってから  ☆☆★

 
 例のヨドバシ電子書籍ポイント還元率30%セールで買ったものを中心に。
 『転スラ日記』と『BLOODY MANDAY Season2』2冊は、以前無料で入手したものになる。かつてヨドバシドットコムでは、講談社電子書籍の一部漫画の1巻から多くて3巻程度が無料になっていた。今でも無料版があることはあるのだが、期限が来ると読めなくなる限定バージョンだ。 “以前の無料版”は、購入手続きを済ませれば普通の電子書籍同様に無期限で読める。ちなみに、現在の通常価格の物と同一商品扱いになっていて、商品ページにアクセスすると購入済みである旨が表示される。その頃私は、実際読むかどうかは別にして、気になるもの将来読むかもしれないものにあれこれ手を付けていた。その中から9〜12月の後期既刊枠で読むことになった2つのタイトルに関し、お盆枠で1冊2冊先行させたというわけである。
 後期の既刊候補として『烏は主を〜』と『ちいさな女中さん』の2つ。後期分の4冊を買う前に、「最終チェック」としてそれぞれ1巻を先に購入してみた。結果、順当に続きを読むことになった。偶然にも両者5巻まで出ているので、きっちり年内いっぱい分ある。
 計画外だったのは『転生重騎士』と『絵を売ってから』。前者は名目不明で1巻だけ88円という超特価になっていた。どうやら期間限定だったらしく、現在は通常の値段に戻っている。後者は前者を見て、「候補に挙げている漫画が安くなっているかもしれない」とチェックを入れたら1巻が半額になっていた。多分しょっちゅうセールになっているんだろうけど、それが私の読みたいときと重なるかどうかは分からない。見つけた時がチャンスと買っておくことにした。いずれも続ける予定にしているが、後期は埋まっているので来年前期以降になる。
 『悪ポン』はGWの後で出た新刊。毎度のことだが、既刊の最新刊に追い付くというタイミングで出た新刊は扱いに困るので、今回サクっと読んでしまうことにした。感想文は2巻と前後してしまうが、読んだ順はきちんと「2巻(8月分)→3巻(お盆枠)」である。
―――――

【転スラ日記】
 『転生したらスライムだった件』のスピンオフで、基本的に本編に則った内容。「本編の裏ではちょっとしたこんなことがあったかも」という感じの、コメディ色の強い四コマ形式になっている。本編よりさらに緩い感じで、本編が気に入った人向けのファンディスクといった趣だ。ま、普通に面白い。

【BLOODY MONDAY Season2 絶望ノ匣】
 『BLOODY MONDAY』の続編。『BLOODY MONDAY』は連載当時単行本で読んでいて、続編に関しては……1巻を買ってそこでリタイア。先日後輩との漫画の話の中で本作が出てきて、「Season2」と「ラストシーズン」が合わせて12冊、そのうち6冊を無料版で既に持っていることに気付き……残り半分なら読んでみようかな、ということになった。
 『BLOODY MONDAY』を最後に読んでから随分経つので、記憶はかなり薄れている。一応最後は丸く収まっていたはずで、続編はまた新たなる火種ということになる。冒頭から待ったなしの緊張感あふれる展開。尤も相手方に潜入している主人公の父親は動揺しまくりで、そこまで顔に出してたら相手に一発でバレてるだろ!とツッコミを入れながら読んでいた。
 『BLOODY MONDAY』全11巻に対して『Season2』は全8巻と短い。おそらく全力で突っ走って「あっという間」に終わってしまうのだろう。

【悪友の俺がポンコツ騎士を見てられないんだが、
  どう世話を焼きゃいい? 〜まどめ外伝〜】
 外伝オリジナルキャラクターとしておそらく外伝を面白おかしくするために1巻で登場したレイチェルに引き続き、“新章”3巻でも新キャラが登場。エルフのクラーラ……これまた何というか、この漫画風に言えば「ポンコツエルフ」になるんだろうか。一応ストーリーの本軸はシリアスなもののようだが、関わるキャラクターのせいでどうやっても面白おかしいものになりそうである。いやしかし、バロスがツッコミ役としてこんなに適していたとは……。
 さて、シリアス成分としてシャスティルの兄の話が出てくる。その最期には聖騎士長ヴァリヤッカが関わっているようだ。ヴァリヤッカ……ヴァリヤッカ……くあっっっ!(突然の叫び) いや、原作読んでるからその名前に聞き覚えはあるのだが……えっと、どんな人だっけ?(記憶力に脆弱性の問題があります) 名前しか覚えていない……。これ、覚えてたらいろいろニヤニヤできそうだけど……きっ、きっと知らない方がスピンオフを楽しんで読めるよね!(震え声)

【烏は主を選ばない】
 同名小説のコミカライズ。今、これ書いてるときにちょっと気になったことがあって調べたのだが……もしかしてこれ続編? 『烏に単は似合わない』から読むべきだった??? ただ、アニメ化はこの『主を選ばない』のようだし……それぞれシリーズではあるものの話としては独立している??? よーわからん。
 舞台は人の形をした烏(烏の姿にもなれる)たちの営む社会。日本で言うところの奈良か平安時代のような暮らしで、「朝廷」でのあれこれがメインの話に……なりそう。地方の首長の息子として生まれた雪哉がひょんなことから宮仕えすることになり、次期首領たる金烏の若宮殿下の下で働くことになった、というオープニング。
 序盤から何やら不穏な伏線と言うか、血生臭い場面も。雪哉を朝廷に引っ張ってきた長束は一見して人格者で、表向きは弟であり世継ぎである若宮に平伏しているが裏で何やら画策している? 雪哉をスパイか工作員あたりで使おうと送り込んだ?? 爪を隠している風の雪哉が何をどう感じ、どちらに与するか……まあもちろん当然若宮方になると思われるのだが、その過程を2巻以降楽しませてもらおう。

【うちのちいさな女中さん】
 ツイッターで見て気になった作品。ウェブで試し読みした第一話に「昭和9年」という設定が出ており、ちょうどその頃模型で「昭和9年度製の42系」を作っていたので縁も感じた。ちなみにツイッターに出ていたのはゼリーの話。私はゼリー大好きなんですよ。
 翻訳家の蓮見令子のところにやってきた女中野中ハナ14歳。まだ幼さもあるけどしっかり者。表情の変化に乏しいので感情が読み取り辛いところもあるのだけれど、それも一つのチャームポイント? 同じ日本の国の物語ではあるものの、昭和も終わりに差し掛かった頃に生まれた者としては戦前の暮らしは目新しく新鮮である(ん? 何か被ってる?)。ガスコンロの使い方ひとつ取っても私の知っているのとは違う……いや、違うな。これは知っている。かつて某飲食店で鍋物――「うどんすき」と云ふものを……本来ならばこの単語で店名が特定できる――を注文すると、卓上にガスコンロが置かれてこんな風に火を付けていたのを思い出す。着物に関しては以前『きりきり亭のぶら雲先生』という漫画でそれっぽいのを読んだことがあるのだが、本作ではより詳しいことが丁寧に描かれていて勉強になった。
 森薫作品に『シャーリー』という漫画があるが、その日本版という感じもする。作者はきっと、趣味で描いてる!

【追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する】
 以前からアプリで読んでいた漫画。タイトルを一瞥すればわかる通り、かなり典型的な「なろう小説」のコミカライズである。正直最初の頃はこんなに長く読み続けることになろうとは、まして単行本買っちゃうことになるなんて予想はしてなかった……そう、1〜2巻ぐらい?のところまでは特になんてことない作品だと思ってた。前にも言ったかもだけど、この手の作品は面白いのは最初だけで、続けば続くほど右肩が下がっていく傾向にある。その中で時々面白さが持続したり、むしろ最初イマイチだったけど途中から何か楽しくなってきたぞ?という作品があるわけで、本作それに該当。気付いたら更新が楽しみになっていたので、「じゃあ買うか」となった。
 タイトルを見れば分かる感じなのだが、簡単に作品紹介しておくと……「転生」とはあるが、転生前の描写が一切ないタイプ。貴族の息子エルマとして儀式(成人式みたいなもの?)を受けている最中に記憶が蘇り、“この世界”が転生前に遊んでいたゲームであることに気付く。儀式で授かった「クラス」――FFで言うところのジョブみたいなもの?――が「論外に弱い」とされている重騎士だったが、実はやり込みゲーマーの間ではバランスブレイカーなほど強いものだった。だがしかし、“この世界”の住人である父親がそんなことを知る由もなく、「重騎士」となった息子を一族の恥として切り捨てる。エルマは一人で街に放り出され、重騎士の性能を頼りに冒険者となる。
 タイトルには「無双」とあるが、それほど無双でもない。いやむしろ、割とピンチが多いような気も。最初に「典型的な」とは書いたけど、物語としては意外にも適切な“バランス調整”がなされているかもしれない。

【いつか死ぬなら絵を売ってから】
 清掃員として働く若者、霧生一希。金銭的には恵まれておらず、絵を描くのが趣味(?)。その絵を見て気に入った美術商(?)嵐山透(一希と同じぐらいの年齢)は一希に、「絵で儲けよう」と持ち掛けたのだった。
 ツイッターで見てちょっと気になった漫画。どの辺が引っ掛かったかはよく分からないが、どこか世間離れした嵐山透がどう霧生一希の心を殻を破っていくのか。タイトルの付け方も良かったかもしれない。続きはまた後日になるが、楽しみにしておこう。

―――――
 余談。『転スラ日記』はゴールデンウィークの30%の時にその時点で出ていた7巻までを購入した。1巻が無料版で入手済みであることはその時に気付いた。購入するだけしてずっと放置していたようである。で、今までは「無料で入手したものに関しては感想文で取り扱わない」としていたので……そん時に読んじゃったんだよね。ページタイトルは「お盆前に読んだ」で、確かに「お盆より前に読んだ」わけではあるけど、その言葉から受ける印象よりずっとはるかに前のことでした!(自白)

(2024.08.21)
   TOP PAGE 侃侃諤諤 用誤集